きょうの総幹部会も素晴らしいですね。一人ひとりの熱烈なる信心の叫び、私は胸を打たれ大感動いたしました。
さて、いよいよ広宣流布の決戦場たる二〇年代に突入し、その最初の法戦が本日より開始されます。
いよいよ大聖人様の御馬前に馳せ参ずることが叶うと思えば、胸の奥から歓喜と緊張が込み上げてまいります。
そしてきょうの総幹部会では、多くの人材が抜擢され、鉄壁の陣容が整いました。まことに力強い。
その中で、ことに私が嬉しく思ったのは、この総幹部会では発表されませんが、未だ曽てない多数の組長が抜擢されたことです。
組長のみなさんは、入信未だ日が浅いに違いない。しかし広告文で日蓮大聖人の偉大な御存在を知り、恋慕渇仰して遥拝勤行に励み、功徳に歓喜して広宣流布に立っているのです。
この姿は、もう素凡夫ではない。まさに「地涌の菩薩」であります。
これは私が言うのではない、大聖人様が諸法実相抄に次のごとく仰せ下されている。
「末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は、男女はきらふべからず、皆地涌の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり」と。
―この末法濁悪の世において、日蓮大聖人を信じて南無妙法蓮華経と唱え奉り、人にも勧める者は、男女の別はない、みな地涌の菩薩である。地涌の菩薩でなくて、どうしてこのお題目を唱えることができようか――と仰せ下されている。まことに有難いことであります。
いま顕正会では、入信早々の人々が続々とこの地涌の菩薩の命にめざめ、瞳を輝かせて広宣流布に立っている。
この姿こそ、顕正会が、全日本人に日蓮大聖人の大恩徳を教え、御遺命成就に戦う唯一の仏弟子の大集団であることを示しているのです。
私は、組長諸氏が早く大きな人材に成長することを、心から願っております。
また先ほど理事長からも発表がありましたが、この一月の教学の大熱気は凄かったですね。
三級昇格試験が五千四八一名、五級昇格が五千五二五名、登用試験が一万九千一二七名、計三万〇一三三名が受験したという。
ことに登用試験の一万九千余名は過去最高ですね。これも一月の組長抜擢が過去最高であったことと思い合わせ、まさに顕正会が大躍進する兆であります。
いいですか。
下種の御本仏・日蓮大聖人の文底深秘の大法を、末代幼稚の凡夫がただ「有難い」の一念で学び、三万有余人が真剣に受験をしたのです。
このような団体が日本のどこにありましょうか。
顕正会が真の仏弟子の大集団なるがゆえに、この真剣なる教学が行われているのであります。
一方、正系門家は未だ濁乱の直中ですね。その故は
日蓮大聖人の唯一の御遺命に未だに背き続けているからです。
日蓮大聖人の御遺命とは何か。申すまでもない、それは
「広宣流布の暁に、仏法を守護し奉るとの国家意志の公式表明を手続として、富士山天生原に建立される国立戒壇」
であります。このことは三大秘法抄・一期弘法付嘱書に太陽のごとく明らかです。
そしてこの国立戒壇建立こそ、日本を仏国と成し、ひいては世界を寂光土とする唯一の秘術であれば、まさに大聖人様の究極の大願であられる。
ゆえに正系門家・富士大石寺においては、日興上人・日目上人以来七百年、この国立戒壇建立を唯一の宿願・唯一の大目的とされて来たのであります。
このことは創価学会においても全く同じ。創価学会も正系門家の一信徒団体であったから、当然「国立戒壇」を高唱していた。ゆえに第三代会長・池田大作も曽ては
「国立戒壇の建立こそ、悠遠六百七十有余年来の日蓮正宗の宿願であり、また創価学会の唯一の大目的なのであります」(大白蓮華、昭和31年4月号)と正論を述べていたのです。
ところが政治野心に燃える池田大作は、国立戒壇が選挙に不利をもたらすと見るや、国立戒壇を否定した上で、俄に大石寺境内に偽戒壇・正本堂を建て、これを時の貫首に「御遺命の戒壇である」と承認させた。
まさに池田大作は、選挙のために国立戒壇の御遺命を抛ったのであります。
時の貫首は第六六世・細井日達、次の貫首は第六七世・阿部日顕であった。この二人は、池田大作の権力と金力にへつらい、大聖人様の御眼も恐れず、この大それた御遺命破壊に協力してしまった。
何とも残念なことです。たとえ池田大作が政治の野心に狂って国立戒壇を抛つとも、時の貫首さえ、「それは間違いだ」とその謬りを砕かれれば、誰が押し切ることができましょうか。
しかるに池田大作の権力と金力にへつらってしまったのです。
まさに正系門家の最高権力者と、誰人も背けぬ絶対権威の貫首が、心を合わせての御遺命破壊です。誰人がこれに異義を唱えられようか。
かくて八百万学会員は国立戒壇を捨て、宗門全僧侶・全信徒も国立戒壇を捨ててしまった。
ここに正系門家から「国立戒壇建立」という大事の御遺命は、完全に消滅してしまったのであります。
大聖人様に対し奉り、何たる師敵対、何たる叛逆か。
まさにあり得べからざることが、広宣流布前夜に、正系門家に起きたのであります。
だが、大聖人様はこの大悪を断じて許し給わず。ゆえに顕正会をして諫暁せしめ、諸天をして学会と宗門を抗争せしめ、ついに正本堂を打ち砕かせ給うたのであります。
さらに、御遺命を破壊せんとした輩の末路、その罰を見れば――
元凶たる池田大作は「生ける屍」となってすでに九年。
細井日達は大事な「御相承」をもなし得ずに急死し、臨終には堕獄の悪相を現じた。
阿部日顕は四十年にわたり「詐称法主」の屈辱を受け、その中に国立戒壇否定の執念だけは持ち続けたが、長き病苦のすえ、昨年九月に命終した。その臨終の相も、やがて真実が明らかになること疑いない。
かくて第六天の魔王が企んだ五十有余年にわたる御遺命破壊の謀りも、ようやく最終章を迎えたのです。
だが、未だ「国立戒壇建立」の御遺命は、否定されたままになっている。
そのゆえは、「時の貫首」がまだ「国立戒壇こそ日蓮大聖人の御遺命である」との宣言をしていないからです。よって「国立戒壇」は未だに否定されたままになっている。
その中に、本年から、いよいよ広宣流布の決戦場たる二〇年代に突入したのであります。
もう「時」は待ってくれない。
私は不思議に思っておりますが、二〇年代に突入するや、世界が俄に騒がしくなって来ましたね。
一月三日、アメリカ軍はイランの革命防衛隊のスレイマニ司令官を、無人機・ドローンを使って殺害した。これで一気に中東全体が凍りついた。緊迫した。
スレイマニ司令官はイランの最高指導者・ハメネイの腹心で事実上のナンバー2、そしてイラン国民にとっては「英雄」です。
この人物を、トランプ大統領が指示して殺害したのです。このまま済むわけがない。
イランには、アメリカと正面切って対決するだけの力がないから、すぐには全面戦争にはならない。しかし「非対称的」な反撃手段を以て、これから長期にわたって、中東の各地で凄惨なテロが頻発すると思われる。
この中東で、イランと敵対している国がイスラエルとサウジアラビア。そしてイランを支持しているのが、中国とロシアです。
昨年12月にイラン政府は、中国・ロシアと始めて合同軍事演習を実施している。これは、イランを国際的に孤立させようとするアメリカの動きに対抗するためです。
中東ではいま、イランを支援する中国・ロシアと、イランを憎むアメリカ・イスラエル・サウジアラビアの勢力がにらみ合って一触即発となっている。
その導火線が、まさしくイランなのであります。
もう一つ。北東アジアにも導火線がある。それが北朝鮮です。
北朝鮮はアメリカの経済制裁によって国民生活は困窮を極めている。餓死寸前と言われている。にもかかわらず核兵器の開発を続け、弾道核ミサイルはすでに「アメリカ本土にも届く」と豪語している。
世界最貧国の一つといわれている北朝鮮が、なぜこれほど短期間のうちに核ミサイルを保有するに至ったのか。
それは、ロシアが密かに技術支援をし、中国が背後で経済支援をしているからに他ならない。ここでも中国とロシアの連携が見えてくるのです。
中国とロシアが共通してめざすところは何か。
それは、アメリカを中心とした現在の世界秩序を覆すことです。ここに、曽ては国境問題などでいがみ合っていた中国とロシアが、今や利害が一致して同盟関係にも似た協力が世界規模で進められるようになったのです。
ロシアのプーチン大統領は昨年10月3日、南部ソチで開かれた国際会議において、中国との関係についてこう述べている。
「前例のない、高い水準の信頼と協力が進んでいる。これは多面的な戦略的パートナーシップが完全である点で、同盟関係である」と。
プーチンが中・ロの関係を「同盟」と表現したのはこれが始めてですよ。
現在の中国すなわち「中華人民共和国」が成立したのが1949年、終戦4年後の昭和24年ですね。その翌年に調印されたものに「中ソ友好同盟相互援助条約」というのがある。当時のロシアは「ソ連」と言っていたので「中ソ友好同盟相互援助条約」です。
その第一条にはなんと日本を指して「中ソ共同の敵」と明記されているのです。
これらの歴史を知れば、もし中国とロシアの同盟が事実になれば、歴史的にも地政学的にも、日本にとっては最大の脅威となる。
まして日本はアメリカと同盟を結んでいる。反アメリカで結束している中国とロシア、が日本を敵視しないはずがない。
だからプーチンは北方領土を絶対に返還しない。北方領土というのは、ソ連が終戦時のどさくさに紛れて「日ソ不可侵条約」をも犯して不法占拠したものですよ。にもかかわらず、絶対にこれを返還しない。
また中国は、尖閣諸島が日本固有の領土であることを百も承知しながら、今これを奪わんとしているのです。
昨年7月には、中国とロシアの爆撃機がそれぞれ2機ずつ編隊を組んで、竹島の防空識別圏に侵入した。
さらに9月には、ロシア南部で行われた大規模な軍事演習に、中国軍1600人と戦闘機など30機が参加して、アメリカを念頭に置いて連携を誇示した。
中国の近年における軍事力膨張は異常ですね。新鋭の核兵器をはじめとして、すでにアメリカを脅かすに至っている。
またロシアの核兵器保有数は、アメリカを凌いで世界第1位です。
もしこの2国が結束してアメリカと覇権を争い、核兵器を用いるに至れば、そのとき世界は終わる。人類は絶滅にいたる。
この世界大闘諍こそ、まさしく大聖人様が広宣流布前夜に必ず起こると御予言下された「前代未聞の大闘諍」「他国来難」そのものであります。
この大闘諍は世界規模であるから、その前相・予兆も世界規模で起こるのです。
見てごらんなさい。いまそれが起きてきたでしょう。
まず、異常気象が地球規模で起きている。
オーストラリアでは昨年後半から森林火災が発生し、未だに延焼中です。焼失面積はすでに日本の国土面積の約半分。国土が広いから火事も大規模です。コアラやカンガルーなどの動物、12億5千万匹が犠牲になったという。
ブラジルでも昨年1月から8月にかけて、アマゾン川流域の熱帯雨林で4万4千件を超える火災が発生している。
スウェーデンでも北極圏を含む約50ヶ所の森林が一斉に燃え出している。
これらの森林火災は異常な高温と乾燥から発生しているのです。
また噴火や地震も、世界規模で活発化している。
本年1月12日には、フィリピンのタール火山が大規模な噴火を起こした。今後さらに大規模な水蒸気噴火を起こす恐れがあるというので、現在約100万人が避難を余儀なくされている。
さらに地震も、1月19日にはインドネシアの東部パプア地方でマグニチュード6・0を観測し、同日、中国のウィグル自治区でマグニチュード6・4が発生し、1月20日には米国アラスカ州のアリューシャン列島にあるシシャルディン山も猛烈な噴火を起こして、噴煙は9000メートルに達し、現在もその火山活動は続いている。
これら噴火とフィリピンのタール火山は共に環太平洋火山地帯に属しており、日本も同じ火山帯に属していることから、今後、日本での地震が憂慮されているのです。
どうも最近、関東・東北で小さな地震が頻発してますね。そして首都圏地震については、4人の有名な地震学者が口をそろえて「二〇二〇年に起こる可能性が高い」と言っている。
また「疫病」すなわち流行病も三災(飢渇・疫病・合戦)の一つで、「戦乱の予兆」とされている。
大聖人御在世には、正嘉元年の巨大地震二年後の正元元年と、弘安元年に大疫病が発生して、その後、大蒙古の侵略が起きている。
世界においては、第一次世界大戦のときに「スペイン風邪」と称する悪性の流行性感冒が発生し、世界中で2、500万人が死亡した。
そしていま、中国の武漢市で「新型コロナウィルス」による肺炎が発生して、急速に広がりつつありますね。アメリカはじめ各国で感染者が出始め、世界中が警戒を強めている。
中国では情報を小出しにしているからまだ真相はわからないが、武漢はすでに交通を遮断し、閉鎖されている。実際にはどれほどの死者が出ていることか。今後、爆発的な感染が起こるかどうか。不気味であります。
これらはいずれも世界大闘諍の前相・予兆なのです。
だが、これにも増して、現代における飢渇ともいうべき世界恐慌は、世界大闘諍の予兆として最も判然としている。
第二次世界大戦の前夜には、1929年のニューヨーク株式市場の大暴落に端を発して世界恐慌が始まった。そしてこれが第二次世界大戦につながっているのです。
いま世界経済はすでに下降局面に入っており、同時に世界規模のバブル崩壊が迫りつつある。
なぜそうなって来たのかといえば、先般も申しましたが――
12年前のリーマン・ショックのとき、世界各国が「金融の目詰まり」を恐れて異常な金融緩和をした。その結果、現在、世界中が抱えている借金総額は、なんと2京7000兆円に膨れあがってしまった。
このカネが株式・土地・債券等に投資されたから、いま米国でも日本でも、株価が歴史的な高値水準に達し、そのまま上値で張り付いているのです。
だが、バブルは必ず破裂する。世界同時不況はすでに始まっており、カネの流れが逆回転を始め出している。これがバブル崩壊となって世界大恐慌となるのであります。
そうなれば、米国も、日本も、中国も、ロシアも、財政危機・国家破産に陥る。巷には失業者があふれ、社会は不安定となる。
世界各国が相互に不信と憎悪を懐くようになる。「あの国がこんなことをするから、こうなった」と、瞋りが燃えてくるのです。
いまアメリカのトランプは「アメリカ・ファースト」などと叫んで、中国・ロシア・北朝鮮に重い経済制裁を課しているが、これにより中国・ロシア・北朝鮮、さらにイランも、財政破綻寸前に追い込まれている。イランのロウハーニー大統領が先月、日本に来たのも、所詮は「財政支援を…」ということだと、私は思っております。
ここに各国の憎悪が生まれてくるのです。そして「アメリカの覇権を覆さなくては自国の存立はあり得ない」と思うようになる。
もし中国・ロシア・北朝鮮・イランが一結してアメリカと対決したらどうなるか。
このとき日本は当然、アメリカに付くでしょう。しかしアメリカに協力して自衛隊がアメリカ軍の尖兵になれば、中国は日本を当面の敵として核兵器を以て脅す。
かといって日本が中立を決め込めば、「自惟孤露・無復恃怙」すなわち孤立して、アメリカも助けてくれない、中国からも攻められる。これも亡国以外にはない。
大聖人様は、第二回の蒙古襲来直前の弘安四年一月の「十字御書」において、次のごとく仰せ下されている。
「今 日本国の、法華経をかたきとしてわざわいを千里の外よりまねき出せり。乃至、影は体より生ずるもの、法華経をかたきとする人の国は体に影の添うがごとく、わざわい来たるべし」と。
「法華経をかたきとする」とは、下種の法華経の教主・法主であられる日蓮大聖人を信ぜず憎むということ。御在世の日本はまさしくこの大謗法を犯した。よって二度にわたる大蒙古の責めを受けたのです。
では今の日本はどうか――。
この日本国に、久遠元初の自受用身・末法下種の御本仏たる日蓮大聖人が御出現になり、大慈大悲を以て「本門戒壇の大御本尊」を留め置き給うとも、人々は未だ信ぜず軽賤している。軽んじている。
いや、一般世間の人々よりも、もっともっと罪が重いのは、正系門家が「国立戒壇建立」の御遺命に背いていることであります。
先ほども申しましたが、国立戒壇建立こそ、本門戒壇の大御本尊の無量無辺の功徳・妙用を以て、日本を仏国と成し、世界を救う、唯一の秘術なのです。
ゆえに大聖人様はこの一大事を二祖・日興上人に御遺命あそばされた。以来 七百年、歴代貫首上人はことごとく国立戒壇建立を唯一の宿願・使命とされて来たのであります。
ところが、天魔その身に入る池田大作は国立戒壇を否定した上で、偽戒壇・正本堂を「御遺命の戒壇」と偽った。そして二代にわたる貫首は池田の威を恐れ、へつらって、この謀りに協力した。何という師敵対か。
だが、大聖人様はこの大悪を断じて許し給わず。顕正会をして諫暁せしめ、ついに偽戒壇・正本堂を打ち砕かせ給うたのです。
だが、正本堂は崩壊しても国立戒壇否定はまだそのままになっている。
ゆえに私は昨年七月の総幹部会において早瀬日如管長に対し
「日蓮大聖人の唯一の御遺命は国立戒壇建立であると、早く宣示し給え」と申し上げた。
しかし今にいたるまで早瀬日如管長は宣示してない。
私は、顕正会を軽く見ようと侮蔑しようと、そんなことは何とも思わない。
ただ、大聖人様に対して申しわけないと思わないのか、という気持ちが、胸の奥から湧いてくるのです。
未だに宣示されてないということは、国立戒壇建立という大事の御遺命が、今もまだ正系門家から消滅したままになっているということ。その間、実に五十有余年。
大聖人様に背き奉ることこれより大なるはない。諸天が怒らぬはずがない。
正系門家がこのような違背を続ければ、磁石が鉄を吸うように、自然と隣国の侵略を招くのであります。
大聖人様は、仏法の正系門家の清濁と国家の興亡盛衰の関係を、伝教大師の正系門家・叡山にこと寄せて、次のごとく御教示下されている。
ちなみに伝教大師という人は、桓武天皇の御前において、法華経第一の正義を以て国中の諸宗をことごとく破折し、桓武天皇の帰依を得て、叡山に法華経迹門の戒壇を建立した聖人です。しかしその後、伝教大師の正系門家の叡山は、第三代・四代の座主 慈覚・智証によって法華経第一の正義は消滅して真言の毒が入り、濁ってしまった。
このことを先例として、叡山にこと寄せて仏法の正系門家の清濁と国家の興亡盛衰の関係をお教え下されたのが、「法門申さるべき様の事」における次の御文であります。
「仏法の滅不滅は叡山にあるべし。叡山の仏法滅せるかのゆへに、異国 我が朝をほろぼさんとす」と。
今この御意を、謹んで下種仏法に約して拝し奉れば次のごとくなる。
「仏法の滅不滅は正系門家・富士大石寺にあるべし。富士大石寺において国立戒壇建立の御遺命消滅するゆえに、隣国この国を亡ぼさんとす」と。
また大聖人様は
「仏法は体のごとし、世間は影のごとし、体曲れば影ななめなり」(富木殿御返事)
とも仰せ下されている。
もし正系門家一同が国立戒壇を抛って大聖人様に背き奉るならば、日本は亡びざるを得ない。
だが、この濁乱の正系門家の中に、いま二百十数万の仏弟子の大集団が出現した。そして命かけて御遺命を守り奉り、宗門を諫め、国を諫め続けているのであります。
大聖人様は北条時宗への諫状において、次のごとく仰せられている。
「諫臣国に在れば則ち其の国正しく、争子家に在れば則ち其の家直し」と。
「諫臣」とは諫める臣のこと。すなわち諫める臣下が国にあればその国は正しくなり、親の誤りを諫める子があればその家はついには曲がらない――ということです。
顕正会は、日本国に在っては「諫臣」、正系門家に在っては「争子」であります。
誰人にも諂わず、ただ大聖人様の御心のみを拝し奉って御奉公を貫く、仏弟子の大集団であります。
濁乱の正系門家の中に、亡国眼前の日本国の中に、この仏弟子の大集団あれば、正系門家はついに曲がらず、日本は亡びない。
この顕正会は、やがて三百万・五百万となる。
顕正会の弘通が進むにつれ、日蓮大聖人の御威徳・大恩徳は日本国中に輝いてくること疑いはない。
さあ、三百万を見つめて、いよいよ新しい前進を開始したい。
本年の初陣二・三・四月法戦の誓願は「三万」といたします。共に励まし、この三万を大きく突破したい。
大聖人様は、顕正会の前進をお待ちあそばす。
さあ、一人ひとりが全く新しい信心に立ち、全員で、歓喜の大行進を以て、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。(大拍手)