きょうの総幹部会も素晴らしいですね。
まさに「燃える総幹部会」であります。一人ひとりの熱烈な登壇に、私は大感動いたしました。
このような清らか、そして熱烈な仏弟子の大集団は、日本国に顕正会しかないのです。
いよいよ最後の御奉公を一筋に貫かん――との決意、改めて堅めるものであります。
さて、私は前々から「20年代こそ広宣流布の決戦場である」と叫んでまいりましたが、いま20年代に突入してすでに4年、いよいよ地球規模の大規模な異常気象が発生してきましたね。
これまさしく広宣流布の前相・予兆であります。
いま異常気象については、多くの報道が最近なされております。
その中で日本経済新聞は8月12日付でこう述べている。
「世界が高温にさらされている。世界の7月の気温は観測史上過去最高となり、……異常な暑さは、屋外での労働を難しくするなどして労働生産性に影を落とす。国際労働機関(ILO)は、熱ストレスで2030年に350兆円の経済損失が出るとはじく」と。
また国連のグテレス事務総長はこの熱波について
「もう地球温暖化ではない。地球沸騰化の時代になった」とも述べている。
北極の氷山は急速にいま溶け出しているし、この7月末、パナマ運河では水不足で130隻もの船が通航待ちになった。
さらに世界気象機関(WMO)によると、7月の世界気温は「12万年ぶりの暑さ」であったとして、「米国のカリフォルニア州のデスバレーでは7月中旬に54度を記録し、ギリシャの観光地では熱中症で倒れる人が続出した」と伝えております。
WMOはこの極端な気象現象の発生について、「残念ながら、これが『新しい普通』すなわちニューノーマルになりつつある」と警告しております。
一方、世界のメディアはこの7月末、「これぞ最大級の事象」として、一斉に次のような報道をした。それは
「地球全体をめぐる海水の海洋大循環のうち、大西洋南北熱塩循環(AMOC)と呼ばれる循環システムが、地球温暖化の影響で年々弱まりつつある」という内容です。
今回、デンマークの研究チームが行った新たなシミュレーションによれば、「早ければ2025年、遅くとも2095年までに、大西洋南北熱塩循環が停まる可能性が高まった。もしこの循環が崩壊すると、地球規模で気候の激変が起き、大干ばつ・大洪水などで数十億人の食糧生産が危機に瀕する」などと伝えております。
以上のごとく、地球規模の異常気象はもう誰の目にも明らかになってきました。
では、どうしてこの異常気象が発生したのか――。
その根本原因を仏法の眼を以て見るとき、これ「諸天の働き」による。諸天の中でも地球にもっとも強い影響を及ぼすのは、日天・月天と呼ばれる太陽と月です。
この二つの天体は仏法を守護するゆえに、人々が仏法に背くを見れば宇宙的力用を以てこれを誡める。それがまず異常気象となって現われるのです。そしてこの異常気象を見てもなお仏法に背き続けるならば、人の心に入って自界叛逆せしめ、さらに隣国の王をして他国侵逼せしむるのであります。
ゆえに立正安国論には、まず金光明経を引いて次のごとく仰せ下されている。
「暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭いて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を侵掠し、人民諸の苦悩を受け土地として所楽の処有ること無けん」と。
また仁王経を引いては
「大火国を焼き……、江河逆に流れ、山を浮べ石を流す……、大風万姓を吹殺し……、天地国土亢陽し、炎火洞然として百草亢旱し、五穀登らず、乃至、四方の賊来りて国を侵す」と。
これらの経文には、大規模な異常気象を前相・予兆として、他国侵逼の大難があることが示されている。
さらに大集経を引いては
「若し国王有って無量世に於て施戒恵を修すとも、我が法の滅せんを見て捨てて擁護せずんば、是くの如く種ゆる所の無量の善根悉く皆滅失して、其の国当に三の不祥の事有るべし。一には穀貴、二には兵革、三には疫病なり」と。
「穀貴」とは異常気象によって食糧危機が起こること。「兵革」とは自界叛逆・他国侵逼の戦争。そして「疫病」とは流行病のことで、今日のコロナがそれに当る。
これらの経文上の証拠を挙げられたのち、大聖人様は次のごとく結び給うておられる。
「先難是れ明らかなり、後災何ぞ疑わん。若し残る所の難、悪法の科に依って並び起こり競い来らば、其の時何んが為んや。
帝王は国家を基として天下を治め、人臣は田園を領して世上を保つ。而るに他方の賊来りて其の国を侵逼し、自界叛逆して其の地を掠領せば、豈驚かざらんや、豈騒がざらんや。国を失い家を滅せば、何れの所にか世を遁れん」と。
ここに仰せの「先難」とは大規模な異常気象であり、「後災」とはその異常気象の後に起こる自界叛逆・他国侵逼の大難であります。
―先難はすでに明らかである。ならば後災が起こること、どうして疑うことができようか。もし残るところの大難が邪法の罪科によって並び起こり競い起きたならば、そのときどうするのか。
国主は国家を基盤として天下を治め、国民は田園を領して生活を保っている。しかるに他方の賊が来てその国を侵逼し、自界叛逆してその地を略奪するならば、どうして驚かずにいられよう、騒がずにいられよう。国を失い家がなくなれば、どこに行って生活ができようか――と。
大聖人様のこの立正安国論における御断言は、寸分も違わず事実になっているのです。
すなわち、御在世には打ち続く天変地夭の後、ついに大蒙古の軍兵が海を渡って押し寄せている。
そして広宣流布前夜の今、すでに異常気象は全世界を覆っている。これを見れば、「前代未聞の大闘諍 一閻浮提に起こるべし」が事実となること、また疑いない。
米国の「ニューズウィーク」7月25日号には「世界の火薬庫」と題して、地球上の23の危険な紛争地域を図示しておりますが、すでに「前代未聞の大闘諍」の序は始まりつつある。
その中、日本には刻々と侵略が迫りつつある。中国・ロシア・北朝鮮の三国は、いつのまにか日本を包囲してしまったではないか。
北朝鮮のミサイル発射実験は狂気の頻度で行われている。「すでにアメリカ本土も射程に収めた」などと宣伝しているが、アメリカに対しては威嚇に過ぎず、真の狙いは日本列島にあるのです。
またロシアは、核弾頭の保有数においてはアメリカを抜いて「世界第一位」といわれている。ウクライナとの戦争でも「もし形勢不利になれば核兵器の使用をためらわず」とすでに公言している。そのうえプーチンは、いま北海道の侵攻作戦をも進めていると伝えられている。
さらに中国は、アメリカに追いつけ追い越せで、その軍事力はすでにアメリカに脅威を与えるまでになっている。この中国はロシア・北朝鮮と連携しつつ、アメリカ中心の現在の世界秩序を覆して、世界制覇を虎視眈々と狙っている。その勢力圏は南半球に点在している発展途上国や新興国など、いわゆるグローバル・サウスと呼ばれる地域にまで及んでいる。
ここに世界は、アメリカを中心とした自由主義陣営と、中国を中心とする専制独裁陣営の二つに分裂し、いまや「前代未聞の大闘諍」に突入せんとしているのであります。
20年代のテンポはまことに速いですね。これ広宣流布近きゆえと、私は思っております。
戦後長きにわたって、アメリカは経済力と軍事力において世界の一強で、「世界の警察官」とも言われてきた。しかし今や経済力の衰弱が見えてきた。
8月1日には、米国の有力な格付け会社「フィッチ」が、アメリカの長期国債の格付けを1ランク下げた。その理由は「米国の財政悪化」だという。そして「米国の金融崩壊が始まった」ともいま言われ出した。
経済力が衰えれば軍事力も当然衰えてくる。ここにいま、世界の地殻変動が起きつつあるのであります。
そして来年2024年には、世界に影響を与える重要な選挙が4つもあります。
米国の大統領選挙が11月。
台湾の総統選挙が1月。
ロシアの大統領選挙が3月。
そして日本では自民党の総裁選挙が9月にある。
このうち台湾の総統選挙はことに重要です。中国の台湾侵攻に影響を与えるからです。
台湾侵攻については、中国の国家主席・習近平は一貫してその実行を主張し続けており、今や台湾統一は中国の国是・悲願にもなっている。
では台湾侵攻はいつ起こるのか――。
これまで大方の見方としては「2027年」ごろとされていた。しかしJBプレス8月3日付で矢野義昭氏はこう述べている。
「ウクライナ戦争の支援で米国の弾薬・装備が涸渇し、さらに米国が大統領選挙で内政混乱するであろう来年が、もっとも危機の年となる可能性が高い」と。
誰にも確実なことはわからない。だが、決して遠い将来ではないと思われる。
もし台湾侵攻が始まれば、尖閣も沖縄も直ちに戦渦に巻き込まれる。それだけではない。もし台湾が中国に領有されれば、日本への海上輸送路(シーレーン)は封鎖される。日本は食糧もエネルギーも、そのほとんどを海外からの輸入に頼っているから、シーレーン封鎖は日本を存立不能にする。まさに台湾有事は即日本の有事であります。
だが、日本は長きにわたる平和ボケで、国家の防衛などは考えず、ただアメリカの属国のような立場で、ひたすらアメリカに頼り切り、目先の安逸を貪ってきた。
そこに「中国の台頭」という国際情勢の緊迫を見て、アメリカのバイデン大統領は昨年5月、岸田首相に対し防衛力の増強を強く促した。
かくて岸田政権は昨年12月、「安全保障三文書」を閣議決定し、反撃能力の保有と5年間で防衛費を43兆円にするとの方針を決めた。
これを見てもわかるように、国家の安危を憂えて自ら対処したのではない。宗主国・アメリカに言われて防衛力増強に初めて手を付けたのです。まことに心許ない。
見てごらんなさい、岸田首相の頼りなさを――。
先般も申しましたが、彼はバカ息子・翔太郎を首相政務秘書官に抜擢したが、忽ちボロを出して更迭せざるを得なくなった。
また木原誠二を岸田内閣の要として官房副長官に任命した。しかしこの木原は本妻と愛人の二つの家庭を持ち、双方に子供を作っているという不倫男です。
最近の週刊文春によれば「違法風俗の常連」でもあったという。まさに恥知らずの男です。このような男が権力を利用して、逮捕されて当然の妻を守って「法の下の平等」を冒した。これでは国の秩序が崩壊する。
だが岸田首相は任命責任すら感じていない。
またマイナカード問題も混乱を極めている。
そのうえ自民党の秋本議員は6000万円にもおよぶ収賄事件で、醜態を天下にさらした。
かくて岸田内閣の支持率は下がる一方となっている。だが一内閣の支持率などはどうでもいい。
ここに憂えるは、ただ日本国の安危であります。
建治元年の「蒙古使御書」には
「一切の大事の中に、国の亡ぶるが第一の大事にて候なり」
「一切の悪の中に、国王と成りて政悪しくして、我が国を他国に破らるるが第一の悪しきにて候」と。
もし他国に国を破られれば、全国民の命が危機に瀕する。ゆえに「一切の大事の中に、国の亡ぶるが第一の大事」と仰せ下さるのです。
いいですか。
御在世の日本国は、良観等の悪僧にたぶらかされて、大恩徳まします日蓮大聖人を流罪・死罪に処し奉った。ゆえに日本は大蒙古の責めを受けて亡国寸前となった。
そして現在の日本は、一国一同未だに日蓮大聖人を信ぜず、背いている。
就中、正系門家が大聖人様の唯一の御遺命たる「国立戒壇建立」を捨て、そのうえ池田大作は、大聖人出世の御本懐たる「本門戒壇の大御本尊」をも六百万学会員に捨てさせ奉った。
この極限の大謗法、どうして亡国を招かぬ道理があろうか。
ここにいま日本は他国の侵略を招き、国まさに亡びんとしているのであります。
だが「火宅にあそぶ子」のような日本の人々はこれを知らない。ただ目先の安逸に耽っている。
これを見てアメリカ大統領・バイデンは、日本の防衛力増強を強く促した。かくて岸田政権は、戦後初めてとなる防衛力増強に踏み切ったというわけです。
しかし大事なことは、たとえ国の総力を挙げて国防の最善を尽くすとも、それで日本を守れるかということなのです。
日蓮大聖人の仏法を立てない以上、諸天は日本を守護しない。よっていかなる防衛努力も虚しくなる。立正なくして安国はないのであります。
ゆえに撰時抄には
「設い五天のつわものをあつめて、鉄囲山を城とせりともかなうべからず。必ず日本国の一切衆生兵難に値うべし」と。
また下山抄にはさらに委しく、次のごとく仰せ下されている。
「真の天の責めにてだにもあるならば、たとひ鉄囲山を日本国に引き回らし、須弥山を蓋いとして、十方世界の四天王を集めて波際に立ち並べて防がするとも
法華経の敵となり、教主釈尊より大事なる行者を、法華経の第五の巻を以て日蓮が頭を打ち、十巻共に引き散らして散々に踏みたりし大禍は、現当二世にのがれがたくこそ候わんずらめ」と。
この御文はまことに大事です。よって少しくその御意を拝します。
―もし真の諸天の責めであるならば、たとえ鉄囲山を日本国の周囲に引きめぐらし、そのうえ須弥山で蓋いをし、さらに十方世界の四天王を日本国の波際に並べて防御させるとも、日本を守ることはできない――と仰せあそばす。
なぜか。それは、末法下種の御本仏・日蓮大聖人を国中が怨み迫害しているからです。
そもそも大聖人様はいかに尊い仏様であられるか。ここには「教主釈尊より大事なる行者」と仰せられている。
インドの釈迦仏は法華経の神力品において、末法には三世十方の諸仏の根源の御本仏が出現して全人類をお救い下さることを、次のごとく述べている。
「日月の光明の能く諸の幽冥を除くがごとく、斯の人世間に行じて、能く衆生の闇を滅せん」と。
この予言・証明に照らされて、日蓮大聖人は末法に御出現になり、流罪・死罪の大難を耐え忍ばれて、全人類の成仏のために三大秘法を一切衆生に授与して下さった。
この大慈大悲と絶大威徳は、まさしく久遠元初の自受用身・末法下種の主・師・親であられる。ゆえに「教主釈尊より大事なる行者」と仰せ給うのであります。
しかるに、この大恩徳まします日蓮大聖人に対し奉り、なんと
「法華経の第五の巻を以て日蓮が頭を打ち、十巻共に引き散らして散々に踏みたりし…」
という乱暴狼藉がなされた。この犯行に及んだのは、少輔房という退転僧であった。
この者、曽ては大聖人の弟子であったが、信心うすく欲ふかきゆえに退転して、あろうことか幕府随一の権力者・平左衛門の手下になった。
そして平左衛門が大聖人を逮捕せんとして草庵を襲ったとき、少輔房はその先陣を承ってこの乱暴狼藉に及んだのです。
この狂態をじっとご覧になっておられた大聖人様は、突如、大音声で叫ばれた。
「あらをもしろや。平左衛門尉がものに狂うを見よ。とのばら、但今ぞ日本国の柱を倒す」(下種本仏成道御書)と。
さらに
「日蓮は日本国の棟梁なり。予を失うは日本国の柱橦を倒すなり。只今に自界叛逆の難とてどしうちして、他国侵逼の難とて此の国の人々他国に打ち殺さるのみならず、多くいけどりにせらるべし」(撰時抄)と。
この仰せこそ、立正安国論に次ぐ第二の国家諫暁であられた。
この師子吼・大叱咤は、平左衛門の心胆を寒からしめた。彼は恐怖のあまり顔面蒼白となり、棒のごとくその場に立ちすくんだ。
だが平左衛門は、その日の深夜、竜の口で大聖人の御頸を刎ねんと企んでいたのです。
いいですか。少輔房の乱暴狼藉すら「大禍は、現当二世にのがれがたし」ですよ。いかに況んや、御本仏の御命を奪わんとする血の凍るようなこの大逆罪、その罪の深さはどのようなものか。
平左衛門はその後 謀叛が露見して誅殺された。そして死後 無間地獄に堕ちた。
だが、彼個人の現当二世の罰では事はおわらない。
実に国家が現当二世に大罰を受けるのです。すなわち当時の日本のみならず、未来の日本国にもこの大罰は及ぶのであります。
まず御在世の日本国を見てごらんなさい――。
大聖人の御頸を刎ね奉らんとした大逆罪により、忽ちに大蒙古の責めが三年後の文永十一年に起きた。その兵力は二万五千人、軍船九百余隻、戦闘は凄惨を極めた。
まず九州の対馬・壱岐を襲った蒙古兵は、島民を捕らえて男は殺し、あるいは生けどりにした。そして女は手のひらに穴を空け、綱を通して大勢を舷に吊した。
蒙古軍は世界最強の軍団であった。その戦法は日本軍が初めて目にする、火薬が炸裂する鉄砲を用い、しかも集団戦法だった。もし二万五千の全軍が本格的な侵攻を始めたら、九州全土が忽ち殺戮で覆われる。
だが、太宰府まで侵攻した蒙古軍はどうしたわけか、その日のうちに全軍が軍船に戻った。そしてその夜に大暴風雨があり、蒙古の全軍は本国に引き揚げてしまったのです。
何とも不可思議な侵攻ですね。これ大聖人様のお申しつけによってなされた諸天の治罰であるから、この不思議があるのです。
しかし国中の人々は、壱岐・対馬の殺戮がやがて本土全体に及ぶと脅え切っていた。
大聖人様はこの様相を「兄弟抄」に次のごとく仰せられている。
「雲の見うれば旗かと疑い、つりぶねの見ゆれば兵船かと肝心を消す。日に一二度山へのぼり、夜に三四度馬に鞍を置く。現身に修羅道を感ぜり」と。
その中、第一回の襲来より七年後の弘安四年五月、大蒙古が再び日本を襲った。その兵力は十四万二千人で前回の約六倍、軍船は四千四百隻、空前の大軍であった。
この大軍が本土に上陸したら日本は必ず亡ぶ。
この大恐怖の中に日本国の一切衆生は、立正安国論の御予言的中を眼前にし、また竜の口における大聖人様の御尊容をも伝え聞き、国主・北条時宗以下 国中の人々が、大聖人様の絶大威徳、その御存在の偉大さを知り、心中に改悔を生じた。
かくて人々は逆縁の中にも、未来に仏に成るべき種をこのとき植えて頂いた。これが大聖人御在世の「逆縁広宣流布」の重大御化導であります。
そして大聖人様は、未来広宣流布前夜の日本国について「末法濁悪の未来」と仰せられている。
まさに現在の日本こそ、この濁悪の直中であります。人々の心は貪・瞋・癡の三毒に覆われ、凶悪犯罪は国中にあふれている。
何より重大なことは、正系門家が大聖人様に背き、唯一の御遺命たる「国立戒壇建立」を否定して偽戒壇・正本堂を建てたこと。そのうえ池田大作は、大聖人出世の御本懐たる「本門戒壇の大御本尊」をも六百万学会員に捨てさせ奉った。
「仏法は体のごとし、世間はかげのごとし。体曲れば影ななめなり」(富木殿御返事)と。
正系門家のこの極限の大謗法、どうして日本の亡国を招かぬことがあろうか。
ここに「前代未聞の大闘諍」がまず全世界に巻き起こり、その中「他国侵逼」の大難が急速に日本に迫りつつあるのです。
強力な核兵器を持つ修羅の独裁国家 中国・ロシア・北朝鮮は、アメリカの属国のような日本を憎み、まず日本を侵す。この大難は「仏法より事起こる」ゆえに、いかなる防衛努力も役には立たない。日本は必ず血祭りに上げられる。
このとき大聖人様は、この亡国の大難を用いて、いよいよ広宣流布をあそばすのであります。
国まさに亡びんとするとき、全日本人は始めて
「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」
との重大なる仰せにめざめる。そして我が命を惜しむゆえに、一国一同みな頭を地につけ掌を合わせて
「南無日蓮大聖人」「南無妙法蓮華経」
と必ず唱え奉るにいたる。
上野殿御返事の
「ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」
との仰せは、まさしくこのことであります。
いま広宣流布の最終段階に、大聖人様のこの重大御化導のお手伝いをさせて頂けること、顕正会はなんと有難い宿縁でありましょうか。
思えば、顕正会は御遺命を守り奉ったゆえに理不尽なる解散処分を受け、本山登山は禁止され、御本尊下附も妨害された。これで命脈を保てる信徒団体はない。
このとき私は「遥拝勤行で広宣流布に立たん」と決意した。これ、大聖人様が教えて下さった一筋の道であります。
信心に距離は全く関係ない。切なる恋慕渇仰の信心さえあるならば、直ちに日蓮大聖人の御当体たる「戒壇の大御本尊」に通じ、現当二世の大利益が頂ける。
いま正系門家が御遺命に背く中においては、遥拝勤行こそ、まさに大聖人様の御心に適い奉る唯一の信行であります。ゆえに大利益を頂き、広宣流布もしんしんと進むのであります。
見てごらんなさい。
御遺命に背いた学会は、今や崩壊寸前になってしまったではないか。またこの学会にへつらって同じく御遺命に背いた宗門は、今や供養を貪るだけの餓鬼道に堕してしまったではないか。共に折伏弘通の精神などは全くない。
その中で、解散処分を受けた顕正会がいま三百万の仏弟子の大集団に成らんとしていること、こんな不思議なことはない。
この不思議、ただ大聖人様の御守護によるのであります。
大聖人様は弘安二年の熱原の大法難のとき、上野殿に賜った御書に次のごとく仰せ下されている。
「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶う事なし。乃至、日本国の人々は多人なれども、同体異心なれば諸事成ぜん事かたし。日蓮が一類は異体同心なれば、人々すくなく候へども大事を成じて一定法華経ひろまりなんと覚え候。悪は多けれども一善にかつ事なし」と。
顕正会はまもなく三百万になり、一千万になり、一億にもなる。しかし全員が、ただ御一人の大聖人様に南無し奉るゆえに、一つの生命体である。これが異体同心であります。
いいですか。
恋慕渇仰の遥拝勤行はやがて一国に満ち満ちる。そしてこの恋慕渇仰が「唯願説之」(唯願わくは之を説きたまえ)となって、いよいよ「本門戒壇の大御本尊」は国立戒壇の金剛宝座に御出ましあそばす。
この広布の最終段階に御奉公させて頂けるとは、なんと有難いことかと、私は深く深く拝し奉っております。
では、最後に、本年最後の法戦「九・十・十一月」の誓願を発表いたします。
顕正会全体の弘通誓願は「三万」といたします。
三者の誓願は、男子部が一万四千八五〇、女子部が九千七五〇、婦人部が五千四〇〇であります。
さあ、共に明るく励まし合い、すべての組織が誓願を大きく突破してほしい。
そして大歓喜の中に全員で何としても
大聖人様に応え奉ろうではありませんか。しっかり頼みます。(ハイッ)
以上。(大拍手)