まことに、きょうの総幹部会も素晴らしいですね。
最初から最後まで、一人ひとりの登壇に私は大感動いたしました。
そしていつも思いますが、濁悪の日本において、これほど清らかで力強い、大聖人様の仏弟子の集団は、もう顕正会以外にはないのだと。この思い、いよいよ強くするものであります。
さて、本年の最終法戦九・十・十一月は、「三万」という大きな誓願を立てて前進を開始いたしましたが、その大法弘通は、本日九月二五日現在で実に一万六千〇〇九名。達成率五三%に達しております。まことに凄い。全顕正会員のこの熱烈な信心、ただ有難く思っております。
大聖人様は佐渡御流罪の直中、諸法実相抄において次のごとく仰せであります。
「末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は、男女はきらふべからず、皆地涌の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり。
日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へ伝うるなり。
未来も又しかるべし。是れあに地涌の義に非ずや。
剰え広宣流布の時は、日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は、大地を的とするなるべし」と。
何とも有難いですね。
いいですか。こう仰せ下されているのです。
―いま末法において、日蓮大聖人の御心のままに、我も唱え人にも勧める者は、みな地涌の菩薩である。地涌の菩薩でなくて、どうしてこのお題目を唱えることができようか。
はじめは日蓮大聖人ただ御一人が南無妙法蓮華経と唱え出されたが、二人・三人・百人と次第に唱え伝うるようになった――。
そして「未来も又しかるべし」と。この仰せの中に、いま私たちは入っているのです。「是れあに地涌の義に非ずや」みな次々と出てくる地涌の菩薩なのであると。
そして広宣流布の時は、日本一同が南無妙法蓮華経と唱えることは、大地を的とするところである――と御断言下されている。
いま広宣流布の最終段階において、天魔その身に入る池田大作にたぶらかされて、学会も宗門も「国立戒壇」の御遺命を捨て、ために折伏弘通は全くできなくなってしまった。
私はこの姿を見るたびに、第六天の魔王の力はなんと凄いのかと思う。
その中、いま顕正会だけが死身弘法を貫き、三百万の地涌の菩薩の大集団に成って、大聖人様に応え奉らんとしているのです。なんと有難い宿縁でありましょうか。
さあ、本年の最終法戦、各組織がそれぞれ誓願を成し遂げ、全顕正会で「三万」を大きく突破して大聖人様に応え奉りたい。こう強く念願しておりますが、みなさん、どうでしょうか。
(大拍手)
さて、大聖人様は三大秘法抄において、戒壇建立前夜の日本国の様相を「末法濁悪の未来」と仰せ下されておりますが、今の日本はまさしく「末法濁悪」そのもの。そして立正安国論にお示しの「一切の人衆皆善心無く…」そのものですね。
数日前の新聞にこんな記事があって私は驚いた。「わいせつ校長逮捕」という見出しで、産経新聞が社説で取り上げていたのです。それによれば「公立中学の校長が、少女のわいせつ画像を所有していたとして『児童買春・ポルノ禁止法違反』で逮捕された」――という。逮捕されたのは東京都練馬区立中学校の校長です。
その経緯は、都教育委員会の相談窓口に「過去に先生からわいせつ行為を受けた」とする相談が寄せられていたことから、警視庁捜査一課が家宅捜索したところ、校長室の机から、わいせつ画像を保存したビデオカメラが見つかった。それには女子生徒の身体を触っている動画や裸の画像があったという。
凶悪事件を担当する捜査一課(サツイチ)がこれを摘発したのは、この事件が社会にどれほどの悪影響をもたらすかを考慮してのことと思われる。
青少年を教え導く立場の校長がこれではどうしようもない。
しかしこの校長だけではない。大手学習塾の「四谷大塚」でも、教え子に対する「強制わいせつ罪」で講師が逮捕されている。
さらにその数日後、こんどは大学教授によるわいせつ事件が報道されていた。
いったい日本の教育界はどうなっているのか。これでは日本の将来は暗澹ですね。
しかし教育界よりももっと深刻なのは政界ですよ。
今回の岸田改造内閣を見てごらんなさい。
前回の改造もとんでもない大臣が続出して、わずか2ヶ月で4人の大臣が交代したが、今回は「旧統一教会」と関係のある議員を4人も入閣させているではないか。
統一教会というのは韓国に本部を置く邪教で、日本を深く憎んでいる特殊な教団です。ゆえに日本人からカネを収奪すべく、怪しげな霊感商法なるものを駆使して日本の信者から多額の金銭を巻き上げては、それを韓国の本部に送っている。
こんな邪教がなぜ日本で拡大したのかといえば、この統一教会は巧みに自民党の国会議員に取り入り、選挙活動の手助けをしたりで、多くの自民党議員と深い関係を持っているのです。
本来 政治は、このような邪教に対して厳しく対処しなければいけない。だが安倍晋三・元首相や細田博之・衆議院議長らが、いくたびも統一教会系のイベントに出席しては統一教会を賞め讃えていたことから、みな騙されて現在の被害拡大につながったのです。
今回の内閣改造を見ると――
文部科学大臣になった盛山正仁氏は、所管大臣として統一教会に対する「解散命令」を請求すべき立場にあるが、彼も統一教会との接点が前々から指摘されている。果して厳正な処分ができるのか。
また今回の目玉人事といわれたのが小渕優子の党選対委員長の抜擢であるが、彼女は「ドリル優子」と呼ばれ、金銭上の不正を自ら隠すために、ドリルでハードディスクを壊して証拠隠滅を謀ったことで有名です。「小渕優子」と言われてもわからないが、「ドリル優子」というとみなわかる(笑)。よくぞ抜擢したものです。
また加藤鮎子・こども政策担当大臣も、政治とカネの問題が発覚している。加藤が代表を務める資金管理団体が、「家賃」の名目で実母に政治資金を還流させていた。その金額は900万円にも上るという。このような人物が平然と大臣になっている。
さらに今回の内閣改造では、官房副長官を退任したあの木原誠二が自民党の幹事長代理と政調会長特別補佐を兼務する要職に就き、引き続き重用されている。
彼の破廉恥な所行は週刊文春の報道を通して、日本のみならず世界中に知れ渡っている。
岸田首相は任命責任をどう考えているのか。
岸田首相の人事を見ていると、国家・国民のためというより、各派閥の実力者を取り込むことで、来年の自民党総裁選挙に再選されることを最優先にしているごとくに見える。
その中で、新年度の補正予算案が秋の臨時国会に提出されるが、補正予算はこのところ、年間数十兆円の規模に膨らんでいるのです。
いま国の借金はついに1270兆円ですよ。この絶対金額もさることながら、GDP(国内総生産)比では世界最悪です。このまま行けば財政破綻・国家破産は必至である。
だが、これを憂える政治家は一人もいない。みな己れの地位と利権だけで頭がいっぱいと見える。
もし日本が「財政破綻」という氷山に激突したら、その尻拭いはすべて国民がさせられるのです。
そのときは、終戦翌年に実施された財産税よりも、さらに苛酷な徴税が行われると思われる。
だが、それにも増して私が憂えているのは、日本の亡国であります。そのわけは、国家の根本法規である憲法がデタラメだからです。
戦後日本は78年も平和が続いた。このことについて「あの輝かしい平和憲法のおかげである」などと左翼の学者はみな絶讃し、戦後教育もそのように教えてきたが、これはとんでもない錯覚です。
戦後日本の平和が保たれたのは、憲法のおかげではない、実に日米安全保障条約があったからなのです。
この日米安保は「非武装の日本の防衛を保障する」という目的で、1951年に締結されたが、そもそも日本を「永久非武装」の国にしたのは米国なのです。
日本国憲法は誰が作ったのかといえば、戦勝国の連合国軍総司令部いわゆるGHQです。その総司令官がマッカーサー元帥であった。
その制作過程は次のごとくです――。
マッカーサーの命により、GHQ民政局次長で弁護士資格を有するケーディス大佐(当時39歳)を中心とする25人のアメリカ陸軍軍人が、終戦翌年の昭和21年2月4日から12日までの9日間で、「日本国憲法草案」なるものを書き上げ、翌13日、これを日本政府に手渡し、「この内容に沿って憲法を改正するように」と一方的に命令したのです。
当時の日本は終戦翌年であるから、まだアメリカの占領下にあり、主権も回復していない。そのような状況下にもかかわらず、アメリカが作り、日本に押し付けたのが、この「日本国憲法」だったのであります。
この憲法の目的は何かといえば、占領目的の遂行にあった。すなわち、日本が再びアメリカを脅かす国にならぬように永久非武装とし、弱体化するのが目的であった。ゆえにこの憲法はまさに「占領基本法」だったのです。
もっと端的に言えば、アメリカに依存しなければ存立し得ぬ日本を作り、そのうえでアメリカに奉仕させるというものであった。
まさに戦勝国アメリカが敗戦国日本に押し付けたのが、この「日本国憲法」だった。だから属国憲法なのです。
その特異性は、この憲法の前文と、第一条と、第九条に、はっきりと出ています。
以下、それぞれについて簡略に説明いたします。
まず、日本国憲法の基本原理を示した前文にはこうある。
「日本国民は……平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と。
これは世界の現状を無視した全くの空論・お伽噺ですね。
いまの世界は主権国家の鬩ぎ合いがその実相ですよ。これを仏法では「闘諍堅固」の時代というのです。
見てごらんなさい。日本に隣接している中国・ロシア・北朝鮮の三国を――。
これら三国は独裁の専制軍事国家で、スキあらば日本を侵略せんとしているではないか。
ロシア(旧ソ連)などは、日本との間で不可侵条約を締結していながら、昭和20年の敗戦直後の日本に突如として攻め入り、北方領土を掠奪した。
それだけではない。満州国にまで乗り込み、数十万人の日本の在留邦人を、口にするのも憚るような残虐な行為で殺戮した。このような無法な国も戦勝国のメンバーだったのです。
これらの諸国をも「平和を愛する諸国民」として、その「公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との文言は、「宋襄の仁」に等しい。
まさに現実を見ない空論・お伽噺です。このお伽噺を前提にして作られたのが「日本国憲法」なのであります。
ついで第一条を見れば、天皇の地位について次のごとく定めている。
「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と。
この第一条においては、天皇の地位を、明治憲法の
「万世一系の天皇之を統治す」
から、「象徴」に変更したうえで、「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とした。
これでは国民投票によって皇室を廃絶することもできてしまうではないか。もし皇室をなくそうという運動が起きて国民投票で過半数が賛成したら、そのとき日本の万世一系の皇室は亡んでしまう。それがこの憲法には前もって決めてあるのです。
明治政府は、仏法を排斥して天照太神等の日本古来の神々を国の本とした。
だが「仏は主君、神は所従」であることは、聖徳太子のときすでに結論が出ているのです。
聖徳太子は朝鮮半島を経由して渡来した仏法を守護するため、日本古来の神々にこだわって仏法を排斥した豪族の物部と身命を賭して戦った。まだ10代の若い聖徳太子が蘇我氏とともに命がけで戦って、ついに物部を倒した。そこで始めて日本に仏法が確立されたのです。
まさに聖徳太子こそ大賢人だと私は思っております。この聖徳太子が日本に生まれたことも、御本仏日蓮大聖人が御出現されるその露払いですね。
その後、日本にはさらに伝教大師が出現し、法華経の迹門戒壇を建立した。時の天子・桓武天皇は伝教大師に深く帰依し、この迹門戒壇建立に力を尽くした。その後、代々の天皇が伝教大師の叡山に帰依し外護した姿は、立正安国論御勘由来に大聖人様が次のごとく仰せられている。
「孝子の父母に仕うるに超え、黎民の王威を恐るるに勝れり」と。
これを以て思うに、明治憲法には「万世一系の天皇之を統治す」とあり、この文面では「万世一系の天皇」は、神武天皇以来今日まで百二十六代、いずれの天子も天照太神等の神を国の本としたごとく見えるが、決してそうではない。勝れた天子はみな仏法を本としているのであります。
見てごらんなさい。聖徳太子は始めて日本に仏法が渡来したとき、命かけてそれを守ろうという決意に立った。そして十七ヶ条の憲法を制定し、国家統一の基本原理としているでしょう。
十七ヶ条の第二条には
「篤く三宝を敬え。三宝とは仏・法・僧なり」とある。まさに政治の根底に仏法を置き、鎮護国家の経典として、法華経・勝鬘経・維摩経を定めたのです。
このように仏法を根底としたゆえに、聖徳太子は後世に輝く飛鳥時代を築くことができたのです。
いいですか。
「万世一系の天皇」の使命とは何か。
実に、日蓮大聖人の仏法を永遠に守護し奉るところにあるのです。聖徳太子はその重大使命がよくわかっていた。
しかるに明治政府は「万世一系の天皇」の深意を知らず、またこの国に、釈迦仏より勝れた大事な本源の、久遠元初の御本仏・日蓮大聖人が出現し給うたことをも無視して、神を本としたゆえに、その後の日本は、明治・大正・昭和のわずか三代70数年で敗戦の憂き目を見たのです。
そしてこの敗戦国に押し付けられたのが、米国に依存しなければ存立し得ぬことを定めた「日本国憲法」だったのです。
その実態は、さらに第九条を見れば明らかです。
第九条には「戦争放棄」が次のごとく定められている。
「①日本国民は……国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸・海・空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と。
この第九条は、前文の「日本国民は……平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との文言を承けての条文です。
だがこれでは、国家の存立は不可能ではないか。
そうでしょ。日本が戦争を放棄するのは勝手だが、もし他国が日本を侵略して来たら、どのようにして国を守るのか。このとき侵略者に対し
「わが国は戦争を永久に放棄した。したがって一切の戦力は保持しない。国の交戦権は認めないことになっている」などと言うつもりなのか。これで国が守れるか。まさに無責任きわまる憲法なのです。
ここに、アメリカに依存しなければ存立し得ぬ日本の実態が如実に現われているのです。
このような憲法を77年間 一字一句も修正せずに来た暢気な国が日本なのです。
なぜそのような暢気が通用したのか。これアメリカの庇護を頼みとしているからです。ゆえに自ら国を憂える心を日本は完全に失ってしまった。これを「属国」というのです。
だが、いまや世界の情勢は大きく変化してきた。
第二次大戦後、アメリカは経済・軍事において文字どおり「世界の一強」であったが、その力がいまや衰えてきた。
一方、アメリカと対抗している軍事独裁国家の中国・ロシア・北朝鮮は、すでに核の超大国であり、その軍事力は月々日々に増大しつつある。この三国はアメリカ中心の現在の世界秩序を覆し、世界の覇権を奪わんとしている。
かくて「前代未聞の大闘諍」と日本への「他国来難」が、いよいよ迫りつつあるのであります。
その根本原因は、まさしく仏法違背にある。
御在世の日本を見てごらんなさい。
一切衆生を仏に成さんとする大慈大悲の日蓮大聖人に対し奉り、当時の日本は流罪・死罪を以て迫害した。
諸天はこれを許さず、隣国をして日本を責めしめた。これが大蒙古の責めであった。
それより七百年――。日本の人々は未だに日蓮大聖人に背き続けている。
就中、正系門家が天魔その身に入る池田大作にたぶらかされ、唯一の御遺命たる国立戒壇を否定して偽戒壇・正本堂を建て、そのうえ池田大作は戒壇の大御本尊をも六百万学会員に捨てさせ奉った。
諸天いかで怒りを為さざらんや――。
ここに「前代未聞の大闘諍」「他国来難」が刻々と日本に迫りつつあるのです。
この人類絶滅の大戦乱から、日本を、世界を、お救い下さるのは、大慈大悲と絶大威徳まします日蓮大聖人ただ御一人であられる。
これを知る我ら門下の弟子一同は、ただ随力弘通に徹して、日蓮大聖人の大恩徳を早く全日本人に教えなければいけない。早く、大聖人様の唯一の御遺命たる国立戒壇建立を実現しなければいけない。
そしてこの国立戒壇建立には、その前提として、仏法を根底とした憲法の制定が何より必要です。
それにはまず、「日本とはいかなる国か」ということを知らねばならない。明治憲法も現行憲法も、これを知らない者たちが作ったのです。
では、「日本とはいかなる国なのか」――。
富士大石寺第二六世・日寛上人は、仏法の深意に基づき、次のごとく御指南下されている。
「日本国は、本因妙の教主日蓮大聖人の本国にして、本門の三大秘法広宣流布の根本の妙国なり」と。
いいですか――。
世界の百数十ヶ国の中で、久遠元初の自受用身・末法下種の御本仏たる日蓮大聖人が御出現あそばされたのが、この日本です。まさに日蓮大聖人の本国なるがゆえに日本というのです。
大聖人の御出現以前にこの嘉き名が自然と立てられた。この不思議を日寛上人は「嘉名早立」と仰せられている。
また全人類成仏の法体たる「本門戒壇の大御本尊」が世界に広宣流布する根本の妙国こそ、この日本なのであります。
このことがわかったら、日本国の国主および国民は、この三大秘法を守護し奉る義務に気づく。これを守護付嘱という。かくて、国立戒壇建立の御遺命成就に、命かけて立つのが仏弟子であります。
ここに国立戒壇建立の大精神について申し述べます。
国立戒壇建立とは、国家が権力を用いて国民に強要するものでもなければ、国家財政で建立するものでもない。
実に、大聖人様を恋慕渇仰し奉る全国民の総意に基づき、国家意志の表明をその手続として建立されるものなのです。
この国立戒壇建立の大精神については、私は八年前の「基礎教学書 日蓮大聖人の仏法」の中において、次のごとく記した。
「本門戒壇の大御本尊は、日蓮大聖人が日本および全世界の人々に総じて授与された大御本尊であられる。
かかる全人類成仏のための大法を、日本が国家の命運を賭しても守り奉る。これが日本国の使命である。
日本は日蓮大聖人の本国であり、三大秘法が世界に広宣流布する根本の妙国なるがゆえに、この義務と大任を世界に対して負うのである。
かかる崇高な国家目的を持つ国が世界のどこにあろうか。
人の境界に十界があるごとく、国にも十界がある。戦禍におびえる国は地獄界、飢餓に苦しむ国は餓鬼界、没道義の国は畜生界、飽くなき侵略をする国は修羅界である。
その中で、全人類成仏の大法を、全人類のために、国運を賭しても守護し奉る国があれば、それはまさしく仏界の国である」と。
これが、国立戒壇建立の大精神であります。
そしてこの国立戒壇の建立が日蓮大聖人の唯一の御遺命であることは、三大秘法抄と一期弘法抄に赫々明々。また日興上人以下歴代先師上人の文証に太陽のごとく明らかであります。
大聖人様は三大秘法については、佐渡以後に始めてお説きあそばされている。
三大秘法とは「本門の本尊」と「本門の題目」と「本門の戒壇」です。このうち「本門の本尊」と「本門の題目」については佐渡において、あるいは身延御入山の後に御説明あそばしておられるが、「本門の戒壇」については、ただ名目だけを挙げられただけで、その内容は秘しておられた。
それが御入滅の年の弘安五年にいたって始めて三大秘法抄において、「本門戒壇」について
「戒壇とは、王法仏法に冥じ仏法王法に合して、王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて有徳王・覚徳比丘の其の乃往を末法濁悪の未来に移さん時、勅宣並びに御教書を申し下して、霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて戒壇を建立す可き者か。
時を待つべきのみ。事の戒法と申すは是れなり。
三国並びに一閻浮提の人 懺悔滅罪の戒法のみならず、大梵天王・帝釈等も来下して蹋み給うべき戒壇なり」
とお示しになり、そして御入滅のひと月前の九月に、日興上人への御付嘱状に
「国主此の法を立てらるれば、富士山に本門寺の戒壇を建立せらるべきなり。時を待つべきのみ。事の戒法と謂うは是なり。就中我が門弟等此の状を守るべきなり」
と仰せられている。
いかにこの「国立戒壇建立」が重大事であり、大聖人様の究極の御遺命であられるかが、よくわかりますね。
しかるに、いま広宣流布の前夜にいたって、天魔その身に入る池田大作は、国立戒壇を否定したうえ偽戒壇・正本堂を建て、そのうえあろうことか「本門戒壇の大御本尊」をも捨て奉った。かくて正系門家から国立戒壇の御遺命は消滅したのであります。
これ以上の師敵対・極限の大謗法はない。これを見て、諸天は隣国をして必ず日本を罰せしめる。
報恩抄には金光明経を引いて、次のごとく仰せられている。
「時に隣国の怨敵、是くの如き念を興さん。当に四兵を具して彼の国土を壊るべし」と。
―時に隣国の王がこのような念を起こすであろう。 「四兵を具して」とは、今で言うならば陸・海・空・宇宙軍の部隊、その全陣容を整えて、「彼の国土を壊るべし」亡ぼそうとの心を懐くであろう――と仰せられている。
これ諸天の働きですよ。諸天が隣国の王に自然とこのような思いを懐かせるのです。
すなわち、極限の大謗法をする国があれば、諸天は隣国をして、陣列を整えてその国を破壊せしめる――ということです。
これを以てこれを思うに――
日本を包囲する三国のうち、ロシアと北朝鮮は9月13日、5時間にわたって首脳会談をした。これまでプーチンは北朝鮮を軽く見ていたが、この会談には30分も早く到着して金正恩を出迎えたという。
その折、プーチンは
「両国の友好は、手を取り合って日本軍国主義を打倒した1945年にさかのぼる」などと歴史的友好を強調し、今後の相互の軍事支援について重要な取り決めをしたという。
これ歴史的ですね。今後において非常に重大です。
経済的苦境に立つ両国が、共に手を取り合って相互支援をしようというものです。
この際、同行したロシア国防相のショイグは金正恩に対し、ロシア・中国・北朝鮮の三ヶ国による海上合同軍事演習をも提案したという。実現すれば、日本海での実施になるとのことです。
ロシア政治に詳しい筑波大学名誉教授の中村逸郎氏はこの会談について、こう論評している。
「国際社会で共に孤立を深めているプーチンと金正恩の連携を甘く見ないほうがいい。北朝鮮が韓国に対する軍事的圧力を強め、バイデン米大統領が警戒する台湾有事よりも先に朝鮮半島有事が勃発するリスクが高まっている」と。
もし朝鮮半島有事が勃発したら、日本は直ちに巻き込まれる。容易ならざる事態に陥る。
一方、米国と覇を競っている中国を見ると、このところ少し様子がおかしい。
国内では不動産バブルの崩壊、過剰債務の重圧、若者の失業などが重なって、中国共産党の弱さがさらけ出されている。
最近、台湾周辺の空域に24時間で延べ103機もの中国軍機を飛行させたのも、異常な力の誇示であり、行き詰まりつつある経済がもたらす弱さを払拭せんとしているごとくに見える。
そのうえ中国はこの夏、過去140年で最大の豪雨に襲われ、その記録的な洪水は耕作地を壊滅せしめた。世界の人口の5分の1を占める中国でありながら、耕作が可能な土地は世界の9%しかないのです。食糧危機は14億の人民の反乱を招く最大の要因となる。
習近平の顔色が最近、とみに憂いに満ちているのは、これら内憂のゆえかもしれない。
追いつめられた習近平が、行きづまる前に血路を開かんとして、台湾侵攻を早める可能性は充分ある。
すべては、日蓮大聖人に背く日本に対する諸天の治罰の現われなのです。
もし台湾有事と朝鮮半島有事が同時に発生したら、アメリカの尖兵的役割を果しつつある日本は直ちに巻き込まれ、血祭りに上げられる。
中国をはじめとする三国の核ミサイルの攻撃を受ければ、日本列島は瞬時に壊滅する。そしてこのとき米国は、国運を賭することまでして日本を守ることは絶対にあり得ない。
この大悲惨をお救い下さるのは、諸天に申し付ける絶大威徳まします、日蓮大聖人ただ御一人であられる。
ゆえに開目抄には
「我日本の柱とならむ……等と誓いし願、やぶるべからず」
との重大な御宣言があり、さらに新尼抄には
「諸人皆死して無間地獄に堕つること雨のごとくしげからん時、此の五字の大曼荼羅を身に帯し心に存せば、諸王は国を扶け、万民は難をのがれん」
と仰せあそばす。
「此の五字の大曼荼羅」とは、全人類に総じて授与し給うた「本門戒壇の大御本尊」の御事であられる。この大御本尊を一筋に信じ奉るならば、国主はその国を扶け、万民は難をのがれることができる――と御断言下されている。
そしてこの亡国の大闘諍が起こるとき、いよいよ大聖人様は広宣流布をあそばすのです。それも一時にあそばす。
すなわち他国の責めを眼前にして、その恐ろしさから、全日本人が上一人より下万民にいたるまで、頭を地につけ掌を合わせて
「助け給え、南無日蓮大聖人」「南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経」と、声をつるべて唱え奉る時が必ず来る。ゆえに上野抄には
「ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」
とお示し下されているのであります。
広布最終段階のこの重大御化導をお手伝い申し上げるのは、御遺命守護のゆえに解散処分を受けるとも一筋の忠誠を貫き、いま三百万の仏弟子の大集団に成らんとしている顕正会以外には、断じてあるべくもない。
このような時に生まれ合わせたのは、お互いに何たる宿縁か。
早く三百万を成し遂げ、大聖人様の御馬前に馳せ参じたい。
さあ、全員が、地涌の菩薩の面目にかけて力づよい大折伏に立ち、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。以上。
(大拍手)