大熱気に満ちあふれた本日の総幹部会も大感動いたしました。
一人ひとりの登壇から伝わってきた「浅井昭衞先生追善法要」をみつめた熱誠、まことに有難く思った次第であります。
そして、ここ最近の天変地夭を見ては、“諸天いよいよ励みをなす”を実感せずにはいられません。
7月28日にはマグニチュード7.1、最大震度7を記録した熊本地震が発生しました。
熊本では、十年前にも震度7の巨大地震が二度も発生しましたが、今回の地震はその「日奈久断層帯」の割れ残りと言われている。
この地震による最大加速度は2438ガルを記録しました。(ガル=地震の揺れの強さ〔加速度〕を表わす単位)
3・11東日本大震災が2933ガルだったので、近年の大地震の中でもトップクラスの強い加速度であります。
実際に地震発生時の映像を見ると、その揺れは新尼抄の
「諸天怒りをなし、乃至、大地は大波のごとくをどらむ」
との御金言を彷彿とするような激烈なものでした。
約38キロにわたって「地震断層」が出現し、最大で1.3メートルもの横ずれが確認されたほか、断層が1メートルも隆起したところもあった。
断層表出の瞬間(動画)また南九州自動車道では路面が激しく損傷し、橋桁がずれ落ちて約1.5メートルもの段差が生じた。
日本製紙の工場では高さ80メートルの煙突が中央部から折れて倒壊した。
地震発生後にはイオンモールで凄まじい爆発事故も起きた。
その他、一般道の隆起や陥没をはじめ、熊本城の石垣の崩落、河川にかかった橋の落下、3万8千棟を超す家屋が損壊するなど甚大な被害をもたらし、38名が死亡しました。(8月25日時点)
一方、今月13日、千葉県では「線状降水帯」が三度も発生して「レベル5の大雨特別警報」がはじめて出され、複数の観測地点で過去最大の降雨量を記録した。
千葉市などではわずか半日の間に、例年8月の平均降水量のなんと三倍が降るという殺人的豪雨に見舞われた。
広い範囲で街が冠水し、水没した車に閉じ込められ死亡した人もいた。
死者は13人、放置された車両は3000台超、浸水被害を受けた住宅は3600棟を超した。
この日、千葉県の消防の指令センターには2200件を超す119番通報があったという。
これ立正安国論の
「江河逆に流れ、山を浮べ石を流す」
等の「大水の難」
そのものであります。
このような中、顕正会員においてはみな不可思議な御守護、別感の功徳を頂いたことたいへん有難く、本年の元旦勤行において拝した
「何なる世の乱れにも、各々をば、法華経・十羅刹助け給えと、湿れる木より火を出し、乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり」
(呵責謗法滅罪抄)
との大聖人様の大慈大悲を強く噛みしめるばかりであります。
そして顕正会員は、この激しい三災七難の中にも、日蓮大聖人の御心のまま広宣流布の大情熱を滾らせてかえって勇み立っております。
これまさに
「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」
(諸法実相抄)
の姿そのものであります。
されば全顕正会員は
「いよいよ強盛の御志あるべし」
(乙御前御消息)
との御金言を胸に、ますますの強き信心で広宣流布を力強く推進していこうではありませんか。
それにつけても、私は先般の熊本の巨大地震を見るほどに、改めて強く思いました。
早瀬管長は一刻も早く「不敬の御開扉」を中止し、いかなる巨大地震等にも耐え得る三次元免震システムの完璧なる新御宝蔵を建設し、近き広宣流布のその日まで「本門戒壇の大御本尊」を秘蔵厳護し奉らなければならない――と。
まさしく富士川河口断層帯巨大地震の切迫に鑑みれば、新御宝蔵建設は宗門において万事を差し置きなすべき喫緊の責務であります。
「大地動乱の時代」の幕開けというべき「マグニチュード9.0」という観測史上最大の東日本巨大地震より、日本は地震の活動期に入りました。
ことに今後、マグニチュード7級の「首都圏直下地震」、そしてマグニチュード9級の「南海トラフ巨大地震」は必ず起き、さらには内陸活断層による地震の活動もますます活発化すると指摘されている。
日本にはマグニチュード7級の大きな地震を引き起こす可能性がある主要な活断層だけで114もあり、さらに2000を超す活断層が存在します。
その中で極めて切迫度が高いのが「富士川河口断層帯」であり、これが大石寺の至近に走っているのであります。
政府の「地震調査研究推進本部(地震本部)」が公表していた長期評価によれば、今回の熊本地震を引き起こした「日奈久断層帯」の予想地震規模は「マグニチュード7.5程度」、30年以内の発生確率は「ほぼ0~6%」で最も高い「Sランク」に分類され、地震後経過率は「0.2~2.3」と評価されておりました。
ちなみに地震本部は、活断層の30年以内の地震発生確率について、「3%以上」を「Sランク」、「0.1~3%未満」を「Aランク」、「0.1%未満」を「Zランク」と分類しています。
「Sランク」で「3%以上」というと一見低いように見えますが、全国の活断層の中では最上位の危険グループに入る確率なのです。
実際、1995年の阪神・淡路大震災の発生直前の確率は「0.02~8%」、2016年の熊本地震は「ほぼ0~0.9%」でした。
では富士川河口断層帯の確率はどうかというと、30年以内の発生確率はなんと「10~18%」で、日奈久断層帯をはるかに上回わり、114の主要活断層の中で「Sランク」に指定される32の断層帯の中でも、最上位クラスの発生確率なのであります。
そして予想地震規模は「マグニチュード8程度」。
マグニチュードが「1」大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になるので、富士川河口断層帯巨大地震は先日のマグニチュード7.1だった熊本地震に比べ、約30倍前後ものエネルギーが一度に放出されることになります。
地震学者で神戸大学名誉教授の石橋克彦氏は、南海トラフ巨大地震に連動して、陸域の富士川河口断層帯からその北に連なる糸魚川―静岡構造線断層帯までが動く超巨大地震になった場合、その地震規模は「マグニチュード9台」に達する可能性を指摘しております。
仮に「マグニチュード9台」ともなれば、熊本地震の約1000倍ものエネルギーが放出されることになる。
さらに恐るべきは、断層の西側が東側に対して10メートル程度隆起する地殻変位が起きる可能性があることです。
3階建ての建物の高さに匹敵する段差が一気に生じるというのです。
東京大学の目黒公郎教授(都市震災軽減工学)は、これによって「東西を結ぶ大動脈が分断される」と、その甚大なリスクを強調しています。
戒壇の大御本尊がまします大石寺の奉安堂は、この富士川河口断層帯の一つ、安居山断層の北端から、わずか1キロほどしか離れておりません。
しかも安居山断層を含むこの断層帯は、複数の断層が並走・分岐する複雑な構造を持つことで知られており、主断層から分かれた副次的な構造が存在する可能性があるという。
地図上の断層の線から1キロほど離れていたとしても、激烈な揺れだけでなく、地盤そのものの変形・破壊をも想定しなければならないのであります。
さらに、断層にエネルギーがどれほど蓄積されているかを示す地震後経過率には戦慄を禁じ得ません。
地震後経過率が「1.0」を超えていれば
「前回の地震から平均周期以上が経過し、エネルギーが限界近くまで溜まっている状態」を意味します。
日奈久断層帯は「0.2~2.3」でしたが、富士川河口断層帯は「0.9~2より大」とされており、すでに周期の満期、あるいはそれを大幅に超えている可能性が高いのです。
南海トラフ巨大地震が起これば、それに連動すると言われている。
これは「起こるか起こらないか」の問題ではなく、「いつ発生してもおかしくない巨大地震」なのであります。
しかるに早瀬管長は、この切迫した現実を前にしながら、先生が「血を吐く思い」で提出された建白書を無視し続けた挙げ句、昨年私が重ねて要請したことにも、何ら具体的な対応を講じようとしなかった。
新御宝蔵建設に資金面での差し支えがあるというなら、顕正会がすべて御供養させて頂くことも併せて伝えました。
先生は戒壇の大御本尊の御安危を憂え、毎朝、勤行のたびに
「諸天善神、南無本門戒壇の大御本尊を守護し奉り給え」
とご祈念され、戒壇の大御本尊の御安危を深く憂えておられた。
油断だらけで危機意識のない宗門僧侶の姿勢を嘆かれ、かといってどうにも手を出せないやるせない思いを幾度となく口にしておられました。
私は胸が張り裂けるような思いで、それを伺っておりましたが、今そのお姿が脳裏を過ります。
そもそも奉安堂の設計者は、耐震工学や文化財保護、免震技術の専門家ではありません。
同氏は宗門機関誌「大日蓮」(平成13年8月号)で、奉安堂の「耐震性能」について
“一般の鉄骨造のビルの約2倍の強度を確保した”と強調し
“「東海地震」と「富士川河口断層地震(マグニチュード7級)」を模擬波とし、その1.5倍(700ガル以上)でも崩壊しないように設計した”と記しております。
しかし、この想定で耐震設計された奉安堂では、来たるべき「マグニチュード8」乃至「マグニチュード9台」の富士川河口断層帯巨大地震にはとうてい耐えられない。
くり返しますが、マグニチュード8はマグニチュード7の約32倍、マグニチュード9は約1000倍のエネルギーだからです。
また先日の熊本地震ですら、最大加速度は「2400ガル」を優に超しておりました。
700ガルを前提とした耐震性能では、全く不足していることは明白であります。
たとえ倒壊を免れたとしても、戒壇の大御本尊に直接激烈な地震動が伝わる構造であること自体が「重大な問題」なのであります。
建物を建てるときに守るべき最低限の基準を定めた法律である「建築基準法」は、震度7程度の大地震でも建物を倒壊させず「人命を守る」ことを最優先としています。
これに則って頑丈に造った人命優先の建物と
大御本尊に地震動を一切伝えぬことを最優先とする建物とでは、設計思想が根本的に異なることは言うまでもありません。
大御本尊に加わる激烈な地震動を遮断するには、「免震構造」を採用する以外に道はない。これは「文化財防災」の常識です。
そして先の日曜勤行において「妙法比丘尼御返事」の一節を引かれて先生が仰せ下さったように、大聖人様は三度の諫暁ののち、直ちに鎌倉をお去りになり、身延の山にお入りになってから一歩も山を御出にならなかった。
これ、国主の謗法を許さぬゆえであり、また衆生が憍恣・厭怠の心を懐くゆえであります。
その御意のままに、広宣流布の暁まで戒壇の大御本尊を「秘仏」として、御宝蔵の奥深く秘蔵厳護し奉ってきたのが富士大石寺の伝統であり、厳格な掟でありました。
日興上人・日目上人の御在世には御開扉など全くなかったことを思えば、正本堂に対抗して造られた五千名収容の巨大伽藍など必要ない。
広宣流布の暁まで大御本尊を秘蔵厳護し奉ること――ただその一事に徹すればよいのであります。
まして、激しさを増す広布前夜の三災七難と、戒壇の大御本尊を憎む第六天の魔王の障碍を思えば、新御宝蔵は次のようにすべきであります。
まず徹底した活断層調査を行い、詳細な副断層の有無を確認した上で、新御宝蔵の建設場所を慎重に選定すること。
次に、建物全体に最新の「三次元免震システム」を採用し、地面と建物を完全に切り離し、地盤の揺れを伝えにくくすること。
免震構造が揺れを軽減する仕組み(動画)これによって、地震の横揺れを10分の1(縦揺れを3分の1)程度に減衰することが可能なのです。
また戒壇の大御本尊の台座にも免震装置を設け、建物の免震で抑え切れない残留震動を吸収する二重免震構造にすること。
免震台の一例(動画)さらに万全を期するため、耐震・耐火に加え、温度と湿度を厳密に管理できる環境制御機能を備えた、極めて高い耐荷重・耐衝撃性を持つ重厚な収蔵シェルター式の御厨子に大御本尊を安置して秘蔵厳護し奉ること。
すでに日本をはじめ世界の主要博物館の一部では、重要な文化財等を守るためにこうした多重防護システムが採用されております。
しかし、これでもなお十分とはいえない。
富士山噴火の可能性もある。
あるいは大石寺からわずか26キロの陸上自衛隊・富士駐屯地に、敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルが配備された今、中国等の攻撃を受けるリスクも否定できない。
あるいは害意ある悪人らが高性能の爆発物やAI制御の自爆型ドローンを使用するかもしれない。
これら不測の事態をすべて織り込まなければなりません。
戒壇の大御本尊の御安危に関しては
「想定外でした」ということなど絶対にあってはならないのであります。
宗門僧侶の多くは「戒壇の大御本尊は必ず守られるから大丈夫」などと高を括っております。
しかし、あらゆる事態を想定して大御本尊を厳護し奉ることこそ、仏弟子としての最大の責務であります。
あるいは「部外者が口を出すな」などと言う僧侶もいる。
しかし、戒壇の大御本尊は大聖人様が全人類に総じて授与されたものであれば部外者もなにもない。
全人類にとってかけがえのない大御本尊にてましませばこそ、危機意識の薄い宗門に対し、今こそその喫緊の責務を果すべしと、申しているのであります。
昨年初頭、私は浅井先生の弟子として、御遺命の国立戒壇の宣示と新御宝蔵の建設という二つの大事を要請したにもかかわらず、早瀬管長は何もしようとしなかった。
それどころか、宗門僧俗をして大忠誠を貫き通された浅井先生の臨終の相について、あり得べからざる悪質極まる謗言を吹聴させた。
罰はたちまちに現われた。わずかその二ヶ月後、青森県の宗門僧侶が、当時高校生だった女性に対する不同意性交等罪ならびに児童ポルノ禁止法違反で逮捕・起訴され、「日蓮正宗エロ坊主」などと世間の嘲笑を買い、宗門の信用は瞬く間に地に堕ちてしまった。
しかし、それでも早瀬管長は動かなかった。
去る7月27日の総幹部会で、凋落の一途を辿る宗門の姿こそ御遺命違背の罰であるとして、私は重ねて、国立戒壇の正義宣示と、新御宝蔵の建設をすべきことを叫びました。
すると、その翌日に熊本地震が発生したのであります。
あの大地が大波のごとく踊る激甚の揺れを見て、あるいは倒壊・破損した夥しい建造物を見て、あるいは地表に現われた断層を見て、戒壇の大御本尊の御安危を深く憂えざるを得ませんでした。
大聖人様の“急ぎ決断せよ”との厳たる御説法が、早瀬管長には聞こえませぬかと言いたい。
早瀬管長は昨年の登座20周年祝賀会の席で
「私といたしましては、登座して二十年を過ごしてきましたが、その間、ただ歳を重ねるだけで、何もできませんでした」
と正直な所感を述べていたが、もうこれ以上の不作為は許されません。
今生最後の御奉公として、御遺命たる国立戒壇の宣示と完璧なる新御宝蔵建設を決断されんことを、ここに衷心より訴えるものであります。
話は変わります。
高市政権の悪政が、ついに日本経済を直撃しはじめております。
中東情勢とナフサショックによって、「企業物価指数」は2月ごろまで前年比2%程度だったのが、6月と7月には一気に7%台へと急騰したのです。
企業物価指数とは、企業同士で売買されるモノの価格変動を示す指標です。
原材料やエネルギーの仕入れ値が上がればこの指数が跳ね上がり、数ヶ月すると私たちが手にする商品の値段にも必ず波及する、まさに物価の「先行指標」なのです。
しかもモノの値段は、一度上がると簡単に元には戻らない。このまま高い物価水準が定着する可能性が高いのです。
この急激な上昇は、中東情勢による原油高・ナフサの高騰に加え、高市政権の無責任な積極財政が円安を加速させたことによる要因が大きいと言えます。
輸入原油とナフサの価格は、すでに以前のほぼ2倍にまで跳ね上がっています。
そして物価高騰の煽りを受け、企業の倒産がいま現実に増加し始めました。
帝国データバンクによれば、本年1月から6月の上半期に発生した建設業の倒産・廃業件数は5937件となり、リーマンショック直後の2009年の5811件をも上回わり、過去最多を更新しております。
その主な要因は、石油由来の建設資材の欠品や値上がりです。
ことに中小の工務店では、材料がそもそも手に入らなかったり、仕入れ値が高騰して手が届かなかったりと、まさにナフサ不足が現場を直撃したのです。
これから企業倒産はさらに加速すると思われます。
にもかかわらず、高市首相は価格高騰の実態には一切ふれず、「ナフサは全体としての絶対量は足りている」などと無責任なプロパガンダをくり返し、国民を欺き続けてきたのであります。
本年3月の日米首脳会談で、高市首相はトランプ大統領にいきなり抱きつき、「世界に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」などと、歯の浮くようなヨイショでご機嫌取りに終始しました。
当時、政府もマスコミも諸手を挙げてこの首脳会談を「成功」と持ち上げておりましたが、不羈奔放なトランプ大統領の機嫌を損ねることを何より恐れ、アメリカ一辺倒の外交に突っ走った結果、いまその深刻なツケが、国民と企業に回わってきているのであります。
高市首相が行なっているのは政治などではない。国民不在のただの独り善がりにすぎないのであります。
さらに高市首相の度し難い「経済オンチ」によって、日本はいよいよ財政と金融が深刻な危機に陥らんとしております。
最近では国内外のメディアが、この危機的状況に警鐘を鳴らしています。そのタイトルをいくつか紹介します。
「『長期金利2.9%』と『162円台の円安』が示す日本経済の重大局面」(東洋経済オンライン 7月18日)
「高市積極財政は日本発『世界債務危機』の導火線」(東洋経済オンライン 7月22日)
「対症療法では止まらない円安・債券安」(ロイター 7月22日)
「すべての視線は円に 日本発の債務危機 現実味」(フィナンシャル・タイムズ 8月7日)
「『通貨敗戦』に危機感持て」(日経新聞 8月12日)
「日本は世界経済を崩壊させるのか」(英エコノミスト 8月20日)などです。
実は本年一月、アメリカのベッセント財務長官は片山さつき財務相との会談で、止まらない円安と長期金利の上昇を危惧し
「高市首相はこのままではイギリスのトラス(財源の曖昧な減税を打ち出して政権が短命に終わったイギリスの元首相)のようになるのではないか」と、積極財政への懸念を伝えていたと報じられています。
その後、日本政府は円安を止めるため、単独で十数兆円もの巨額な為替介入を行うも一向に歯止めがかからず、それどころか高市政権の「骨太の方針」がさらなる円安と長期金利の上昇を加速させました。
そして日本の円と国債市場の混乱が、アメリカをはじめ世界の金融市場に波及することを恐れたアメリカが、1998年の「アジア通貨危機」以来、実に28年ぶりの異例の「日米円買い協調介入」に踏み切ったのでした。
日米協調介入とは、日本とアメリカが一緒に円を買い支えて円安を止めることです。
ちなみに、このベッセント財務長官とはどういう人物かというと、かつて著名投資家ジョージ・ソロスの右腕としてイギリスの中央銀行を打ち負かし、ソロスのファンドに巨額の利益をもたらした、まさにウォール街で名を馳せた「市場のプロ中のプロ」なのです。
そのベッセント財務長官が危機感を募らせて協調介入に動いたということは、それほど事態が深刻な局面にあることを物語っているのです。
ベッセント財務長官が最も懸念を懐いたのは、米国債市場に金利上昇圧力が加わることでした。
この8月でアメリカの政府債務残高は史上初の40兆ドル(約6360兆円)を突破しました。
著名投資家のレイ・ダリオの試算によると、ことしのアメリカ政府の歳入約5.5兆ドルに対し、歳出は7.5兆ドルで2兆ドルが不足しており、利払い費(借金の利息の支払い)だけで今年は約1兆ドルにのぼるほか、約10兆ドルの債務の借り換えが必要となるという。
同氏は、このままいくと「3年後を中心にした前後2年」のうちにアメリカが債務危機に陥る可能性があることを指摘しています。
そこに、日本の金利上昇によって米国債の金利が上がれば、アメリカ自身の財政悪化が深刻な状況になってしまうのです。
それだけでなく、国際金融協会(IIF)によれば、世界の債務残高はすでに353兆ドル(約5京6千兆円)に達しており、世界的に金利が一斉に上がれば制御不能な「世界債務危機」を招きかねないのであります。
ベッセント財務長官には、このような強烈な危機感があるのです。
だからこそ異例の協調介入を行なって、市場を抑え込もうとしたのであります。
しかし為替介入は、あくまで市場の急激な円安の動きを抑える一時的な「時間稼ぎ」にすぎない。
問題の根本にある円安と金利上昇への圧力そのものを取り除かなければ、すぐに元の木阿弥になります。
ベッセント財務長官の本音は
協調介入で時間稼ぎをしているうちに、高市政権に「骨太の方針」や財源なき「消費減税」など財政悪化懸念を増幅させる政策を転換することを求めているのであります。
しかるに、高市首相はこの重い意味を全く理解せず、歯牙にもかけていない。
日米協調介入の直後に内閣支持率が下がるや、焦った高市首相は目先の「人気取り」のために2年間の食料品消費減税を党内の反対を押し切り、ゴリ押しで閣議決定してしまった。
「物価高に苦しむ低所得のみなさまの負担を減らす」などと言っていますが、支持率回復狙いの、ただのバラマキでしかない。
この食料品の消費減税がいかに愚かしい政策か。
財源の当てもない消費減税を実施すれば、年間でおよそ5兆円もの税収が失われ、結局は赤字国債への依存をさらに強める形にならざるを得ない。
高市首相は「2年後には私が責任もって税率を元に戻す」などと言っていますが、2年後に高市が首相でいられる保証などどこにもない。
これほど無責任な政策があるでしょうか。
自民党が消費税を導入した歴史を紐解けば、1989年(平成元年)に不人気の3%の消費税を導入した竹下内閣は短命に終わり、橋本内閣で5%に上げるもその後の参院選で敗れて退陣し、安倍内閣で8%に引き上げたことで経済への影響が指摘され、二度の延期を経てようやく10%まで引き上げたのです。
このように政権退陣等の憂き目に遭いながら、実に30年近くの歳月をかけて税率を上げてきたのです。
この消費税は年金・医療・介護・子育てという社会保障(社会保障4経費)を支える安定財源とされている。
しかし、ただでさえ消費税の税収26兆円(国税分)では、社会保障4経費の34兆円を賄えず不足分は国債等で補填している中で、さらに減税を行なって5兆円を減収させれば、ますます国債への依存を強めざるを得なくなる。
しかし、こうして借金を積み増すほど、金利が上昇した際の財政への打撃はさらに大きくなる。
財務省の試算では、金利が想定より1%上昇した場合、2026年度の利払い費「13兆円」のところ10年後の2035年度には3.5倍の「45.2兆円」に跳ね上がると言います。金利がそれ以上に上がればさらに増える。
ちなみに5年前の2021年度の利払い費は「7.2兆円」だったことを思えば、1300兆円を超す大借金を抱えた日本政府にとって、金利上昇がいかに財政を逼迫させ得るのかがわかります。
いま高市政権がやろうとしている消費減税は、借金で首が回わらない家計が、さらに借金を重ねながら「収入を減らします」と言っているようなものなのです。
財政破綻への道をまっしぐらに突き進んでいるとしか言いようがない。
にもかかわらず、来年度予算の概算要求額は過去最高の130兆円を超すというから、理解に苦しみます。どこにそんな財源があるのか。
こうして見ると、高市政権の経済財政政策には愚かしい矛盾があるのです。
積極財政と減税によって円安と金利上昇の圧力を自ら作り出しておきながら、円が下がれば巨額の為替介入によって円を買い支え、金利が上昇すれば日銀に国債を買わせて抑え込もうとする。
いわば、アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるようなバカげたことをやっているのであります。
さらに恐ろしいことは、8月5日に時事通信が放ったスクープによると
本年5月に高市首相が日銀の植田総裁と会談した際、金利上昇を抑えるため国債を買い入れるよう裏で要請し、日銀に無理やり金利を抑え込ませようとしていたというのです。
これは市場から「財政ファイナンス」(政府の借金を中央銀行が直接穴埋めすること)と見なされかねない、中央銀行の独立性に関わる極めて危険な要請なのです。
このようなことをすれば、市場は「日本政府は大借金を中央銀行に支えさせるつもりなのか」と疑い始めます。
その瞬間、日銀の信認が失われ、さらに円安と金利上昇が止まらなくなる。
日本はいま極めて危険な状況に追い込まれつつあるのであります。
そして、それは世界の債務危機にもつながりかねない。
円の価値を守りインフレを抑えるには、日銀が政策金利を上げる必要があります。
しかし、利上げは日銀の財務を悪化させ、長期金利の上昇は政府の利払い費を急増させ財政を逼迫させます。
この出口のないジレンマをさらに深刻化させているのが高市政権の無責任な放漫財政なのです。
ベッセント財務長官の警告を無視し、積極財政と財源なき減税を進め、挙げ句の果てに日銀の独立性まで脅かす。
高市首相の「無知」と「無責任」と「独善性」によって、日本はいま円安・インフレ・金利上昇・財政悪化へと追い込まれ、財政破綻・ハイパーインフレへと至ろうとしているのです。
全国民の生活を破壊しかねない悪政の極みと言わざるを得ない。
仏法の眼からみれば、これこそが現代における「飢渇」なのであります。
さらにこの「飢渇」に加え、高市首相の存在そのものが「他国侵逼」を一気に早めております。
8月13日、ロシアのプーチン大統領が北方領土の択捉島を訪問したことに対し、高市首相は
「断じて許容できない」と強調しました。
これを受けて、ロシアの政府高官らは一斉に猛烈な反発を示しました。
ラブロフ外相は
「礼節の一線を越えている」と非難した。
またメドベージェフ元大統領は高市首相を名指しし
「クリル列島(千島列島と北方四島)はロシアの領土であり続ける。この事実を理解できない者は、その妄想がもたらす恐ろしい代償を払うことになる」と述べ、暗黙の核威嚇とも取れる脅迫的言辞を弄した。
さらに親ロシア政府派の軍事ブロガーも、ロシアから武力で北方四島を奪還しようとすれば
「必然的に日本に対する核攻撃につながる」と公然と核攻撃を口にした。
これらの発言に呼応するように、ロシア太平洋艦隊は8月20日、北方領土周辺でミサイル演習を実施し、高市政権を威圧して牽制した。
一方、北朝鮮の金正恩総書記の妹で朝鮮労働党総務部長の金与正も8月19日の談話において、再軍事化する日本を明確に「軍事的目標」と見なし
「日本が間違った選択を企図するならば、今や即時的で生存不可能なせん滅的猛撃を直接受ける」と核兵器の先制使用すら仄めかす威嚇を行なってきました。
これまで北朝鮮による対日非難はたびたびありましたが、「北朝鮮が攻撃されたら」ではなく、「日本が間違った選択を企図するなら」として、先制攻撃にまで政権中枢が言及したのは異例であります。
しかも金与正がこの威嚇をした翌日、北朝鮮は約10発の短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射している。
核保有の軍事独裁国家である中国・ロシア・北朝鮮による対日包囲網が完成するや、即座に核で脅しをかけられるなど容易ならざる事態であります。
そのような中、頼みの綱であるアメリカは、イラン戦争によって兵站能力が著しく低下し、主要ミサイルの在庫回復には少なくとも3年を要するとされています。
さらに、これまで中東に展開していた原子力空母「エイブラハム・リンカーン」の負担軽減のため、代わりに横須賀を母港としていた「ジョージ・ワシントン」を中核とする空母打撃群が中東へ派遣されました。
これによって、西太平洋に常時展開していた米空母打撃群が一時的に不在となり、インド太平洋における米軍の即応態勢に空隙が生じる形となりました。
中国にとってこれほどの好機はなく、この隙を突いて台湾侵攻に踏み切ってもおかしくない。
戦力が低下した米軍が、中国・ロシア・北朝鮮との三正面作戦に対応することは極めて困難で、そのときは自衛隊がその第一線で戦わざるを得なくなる。
そうなれば、日本は国家存立の危機に直面し、他国侵逼を受けるに至るのであります。
なぜ、このような事態になるのか。
大聖人様は十字御書にかく仰せであります。
「影は体より生ずるもの、法華経をかたきとする人の国は、体にかげの添うがごとくわざわい来たるべし」
大慈大悲の御本仏日蓮大聖人に背き奉る国は、磁石が鉄を吸うように他国の責めを招き寄せるのである――と。
ゆえに御在世には大蒙古の責めがあった。
そしていま広布前夜には、日本一同が日蓮大聖人に背き奉るのみならず、正系門家のことごとくが師敵対に陥ってしまった。
このゆえに諸天怒りをなし、ついに他国侵逼が起こるのであります。
すべては「仏法より事起こる」
の大罰なのであります。
そして異常気象も大飢渇も大地動乱も、一閻浮提の大闘諍・他国侵逼の前相・前ぶれに過ぎない。
「神の国」を作らんとする高市早苗のような最低最悪の政治家が出てきて亡国を加速させていることも、その一つであります。
もう一国一同、日蓮大聖人に帰依して国立戒壇を建立する以外に、日本が救われる道は断じてない。
大聖人様は仰せ給う。
「設い万祈を作すとも、日蓮を用いざれば、必ず此の国、今の壱岐・対馬の如くならん」
(聖人知三世事)と。
たとえいかなる祈祷をしようとも、大聖人の仏法を用いない以上は、必ずこの日本の国は、蒙古が侵略した壱岐・対馬のごとき悲惨が全土を覆うであろう――と。
そのときまでに
「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」
(下種本仏成道御書)との重大聖語を、日蓮大聖人の絶大威徳と大慈大悲を、全日本人の心魂に徹するまで教えなければならない。
それをなすのは顕正会以外には断じてない。
大聖人様は北条時宗への御状において
「諫臣国に在れば則ち其の国正しく、争子家に在れば則ち其の家直し」
と仰せ給う。
諫める忠義の臣下があれば国は曲らずに守られる。また諫める孝子があれば家は曲らずに守られる――と。
顕正会は、国に在っては「諫臣」、正系門家に在っては「争子」であります。
そこに第三度の一国諫暁の重大さを思えば、三百万を急ぐ闘志、五体に漲るものであります。
最後に九・十・十一月法戦の折伏誓願を発表します。
男子部一万五千名、女子部一万二千名、婦人部六千名、顕正会全体で三万三千名といたします。
申すまでもなく、この最終法戦の最中に「浅井昭衞先生追善法要」を奉修いたします。
この大事に臨むにあたって、私は全顕正会の赤誠こもる二八〇万の死身弘法を以て、先生へのご報恩に擬してまいらんと心に期しております。
先生が御逝去された三年前の「紅涙の誓い」を噛みしめ、各々が大成長の証を色に顕わして、この追善法要に臨んでまいりたい。
さあ、迎える歴史的重大法戦、大事の御大会式と先生の追善法要を見つめた怒濤の大前進をなし、全員で霊山にまします浅井先生にお応えしてまいろうではありませんか。
以上。(大拍手)
浅井会長のご講演