きょうの総幹部会も素晴らしいですね。
登壇者一人ひとりの、信心の歓喜と広宣流布への燃えるような熱情、これまさしく日蓮大聖人の弟子・地涌の菩薩の雄叫びであります。大感動いたしました。
この総幹部会の大感動が直ちに全顕正会に伝わり、広宣流布が大きく進むのであります。
さて、本年の中盤六・七月法戦は「一万五千」の誓願を立てて前進を開始いたしましたが、なんと、六月中の達成が見えてきました。驚きですね。
この弘通の熱誠、まさに大聖人仰せの
「和党ども二陣三陣つづきて、迦葉・阿難にも勝れ、天台・伝教にも越えよかし」
の大教令に一分でも応え奉るものと思えば、ただ有難さが込み上げてまいります。
そして今、毎月行われている三者の総部集会も、月々に水かさを増していますね。
入信はしたけれど未活動だった人たちが、いま総部集会で信心を取り戻し、歓喜して続々と広宣流布の戦列に加わりつつある。まことに頼もしい。
かくて信心で打ち固めた三百万の仏弟子の大集団が、全日本人に、日蓮大聖人の大恩徳を教え「立正安国」を叫ぶとき、日本が動くのであります。
さてきょうは、仏法の上から、今がいかなる「時」であるかを見つめたい。
いいですか。
下山抄には、こう仰せ下されている。
「教主釈尊より大事なる行者を、法華経の第五の巻を以て日蓮が頭を打ち、十巻共に引き散らして散々に踏みたりし大禍は、現当二世にのがれがたくこそ候わんずらめ」と。
「教主釈尊より大事なる行者」とは、日蓮大聖人こそ、釈迦仏がその御出現を予言・証明した、まさしく久遠元初の自受用身・末法下種の御本仏であられるということ。
次の
「法華経の第五の巻を以て日蓮が頭を打ち、十巻共に引き散らして散々に踏みたりし」とは、竜の口の大法難において平左衛門が、兵士たちになさしめた乱暴・狼藉のこと。これ御頸刎ね奉るの大罪を、間接的に表現された御文であります。
御在世の日本はあろうことか、大慈大悲の御本仏日蓮大聖人の御頸を刎ね奉ったのです。この血の凍るような大逆罪、どれほどの大罰をもたらすか。
ゆえに
「大禍は、現当二世にのがれがたくこそ候わんずらめ」
とお示し下されている。ここに仰せの「現当二世」とは、個人レベルのそれではなく、まさしく国家に約しての御意です。すなわち、当時の日本国が亡国の大罰を受けるだけでなく、もし改悔がなければ未来日本国も他国侵逼の大難を受けて国亡ぶ――ということであります。
御在世の日本を見てごらんなさい。
大聖人様は立正安国論において「他国侵逼」の大難を厳然と予言し給うた。
しかし当時の人々は誰も信じなかった。「日本は四方を海で囲まれている。どこの国が海を渡って攻めてこようか」と思い込んでいた。ゆえに一人として、他国侵逼の御予言を信ずる者はいなかったのです。
だが、立正安国論より十四年後の文永十一年、大蒙古が二万五千の大軍を以て襲来した。さらにその七年後の弘安四年、こんどは十四万二千の大軍を以て日本を壊滅させんと押し寄せたのであります。
この大蒙古について少々説明します。
この大蒙古は北アジアの遊牧民の一部族であったが、ジンギスカン出現以来、瞬く間に周囲の部族を統一して侵略を開始し、たちまち史上空前の大帝国を作り上げたのです。
その領域は実にユーラシア大陸のほぼ全域にわたり、東は朝鮮半島から西は地中海にまで及んだ。まさしく史上空前の大帝国です。
当時は通信技術もない、交通機関もない。どうやってこれだけの大帝国を維持し、戦闘を進めることができたのか。これは未だに歴史の謎です。
これほどの大帝国が急速に出現したことも、また海を隔てた日本に侵略の意志を懐いたことも、不思議であります。
これ偏に、大聖人の御化導を助けまいらせる諸天の働きによる。
この諸天は、大聖人様の「お申しつけ」を受けているのです。かくて大蒙古の責めが起きた。これこそ大聖人様の大慈大悲であられる。
日本国の人々は、念仏・真言・禅・律等の邪法の悪僧らにたぶらかされて、日蓮大聖人を憎み流罪・死罪にしたが、その罪の重さを未だ知らない。
だが法華経の譬喩品には末法の御本仏を怨む罪の深さについて次のごとく説かれている。
「其の人命終して阿鼻獄に入らん。乃至、展転して無数劫に至らん」と。
阿鼻獄の大苦は、聞いただけで血を吐いて死ぬといわれている。それほどの大苦を無数劫という長い間、阿鼻獄に堕ちたまま、生まれては死に、死んではまた繰りかえすことが法華経には説かれている。しかし人々はそれを知らない。
これを不憫とおぼされ、大聖人様は他国侵逼の大罰を以て人々を改悔させ、無間地獄の大苦を今生のうちに消さしめんとし給うたのであります。
このこと、先般も申しましたが、建治二年の四条抄に明らかですね。改めて拝読いたします。
「法華経の敵となりし人をば、梵天・帝釈・日月・四天 罰し給いて、皆人に見懲りさせ給えと申しつけて候。日蓮 法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし。乃至、あへて憎みては申さず、大慈大悲の力、無間地獄の大苦を今生に消さしめんとなり」と。
―法華経の肝心たる南無妙法蓮華経に敵対する人々をば、梵天・帝釈・日月・四天等の諸天は、これを罰して人々に見懲りさせよと、申しつけた――と仰せられる。
まさに大蒙古の責めは、人々を改悔せしめるために、大聖人様が諸天に申しつけ給うたものです。そして、諸天に申しつけ給うこの絶大威徳こそ、御本仏の証明です。御本仏でなくて、どうして諸天に命令ができましょうか。
ゆえに次文に
「日蓮 法華経の行者にてあるなしは、是れにて御覧あるべし」と。
さらに仰せられる。
―このことは憎んで言うのではない。これ人々に改悔の心を起こさせ、死後の無間地獄の大苦を今生のうちに消滅させる大慈大悲なのである――と。
死後の無間地獄の大苦に比べたら、今生のいかなる苦痛も物の数ではない。その無間地獄の大苦を、蒙古襲来の罰を以て改悔せしめ、今生のうちに消さしめんとし給う。これほど徹底した大慈大悲はないのです。
この大蒙古の襲来、もし軍事力の差から見たら、そのとき日本は亡んで当然であった。ところが文永・弘安の二度にわたる襲来が、二度が二度とも、暴風雨によって蒙古軍が撤退したのです。これほどの不思議がありましょうか。
これ、時の国主・北条時宗の改悔もあり、まさしく大聖人様が冥々のうちにこの日本を守護下されたのであります。
この二度にわたる大蒙古の責めを見て、日本一同は心の底から怖畏し、震え上がった。そして一人残らず、日蓮大聖人の御名と南無妙法蓮華経を命に刻みつけ、未来に仏に成るべき種を心田に下して頂いた。これが御在世の逆縁広宣流布の大化導であられる。
だが、それより七百有余年――。
日本の人々は未だに日蓮大聖人を信ぜず、背き続けている。
その間に発生した天変地夭・大飢饉・大疫病、さらに内乱と他国との戦争は、歳を逐うて激しさを増している。その様相はまさに日興上人の申状の
「所詮、末法に入っては、法華本門を建てられざるの間は、国土の災難日に随って増長し、自他の叛逆歳を逐うて蜂起せん」
との仰せのままです。御文の中の「法華本門」とは、大聖人御弘通の三大秘法です。この三大秘法に背くゆえに、国土の災難も、自界叛逆・他国侵逼も、歳を追って増大するのです。
ことに明治以降は日清・日露・日中と戦争が続き、そのあげく日本はアメリカとの戦争に引きずり込まれ、ついに昭和20年(1945)に敗戦、米国の属国になった。すなわち米国に依存しなければ存立し得ない国になってしまったのです。
私は、日本国始まって以来のこの敗戦こそ、いよいよ「順縁広布」の時代に突入したその入口であると思っております。
この先にはいよいよ「他国侵逼」があり、そのとき大聖人様はこの大罰を用いて広宣流布をあそばすのであります。
敗戦の翌年には、日本国の有様を定めた「日本国憲法」が制定された。これは日本が自主的に作ったものではない、占領軍総司令官・マッカーサーが、部下のケーディス大佐以下10数人の米軍将校に命じて、わずか10日間ほどの期間に書き上げさせ、占領下の日本に押しつけたものです。
この憲法制定の最大の目的は、日本を永久に非武装化することにあった。日本が再びアメリカを脅かす国にならぬように非武装化し、そのうえ属国としてアメリカに貢献させることを目的としたものです。
だからこれは日本国の憲法ではない。まさしく「占領基本法」とも言うべきものであります。
これを具体的に見れば、次のような文がある。
まず日本国憲法の精神を謳った前文にはこうある。
「日本国民は…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と。
原文は英語で、その訳文だから、助詞の「テニヲハ」の打ち方が少しおかしいが、それはともかく、この前文は全くの虚構ですよ。
日本はいま中国・ロシア・北朝鮮の三国に取り囲まれているが、これらの国々は、ことごとく侵略を事とする軍事独裁政権ばかりではないか。
中国はウィグル民族をジェノサイド(集団虐殺)したうえ、いま台湾と日本を虎視眈々と狙っている。
ロシアはあの終戦間際に、日本との不可侵条約を破棄して満州国になだれ込み、多くの在留邦人を虐殺し、そのうえ北方領土を略奪して今にいたっている。
北朝鮮は百数十人の日本人を拉致して、未だに還さない。
これらの国々のどこに「公正と信義」があるのか。ないものをあると偽ったうえで「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と定めているのだから、この憲法は虚構なのです。
そしてこの前文を承けた「第9条」では何を定めたかというと
「戦争を永久に放棄する」
「陸・海・空軍その他の戦力は保持しない」
「交戦権を認めない」
ことが規定されている。
このような日本がもし他国の侵略を受けたら、どうやって国土と国民を守るのか。これでは国家の存立は不可能ではないか。こんな無責任な憲法は世界のどこにもないのです。
そこで、憲法が制定された5年後の昭和26年に「日米安全保障条約」が締結された。この条約は、非武装の日本の防衛をアメリカが保障するという目的で制定されたものです。
以来、日本は、国防という国家にとっての最大事をアメリカに委ね、カネ儲けに専念するだけの属国、そして植民地になってしまったのであります。
日本人の多くはこの日本国憲法を「平和憲法」と呼び、あるいは「不磨の大典」と称え、「この憲法のお蔭で戦後の平和があったのだ」などと言っているが、これはとんでもない錯覚です。
戦後の日本の平和が保たれたのはこの憲法のお蔭ではない、日米安全保障条約があったからこそ、仮初めの平和が保たれたのであります。
だが今や国際情勢において重大な変化が起きつつある。
それは、アメリカの衰退、中国の台頭ということです。これこそ日本の命運に関わることです。
アメリカは1991年のソ連邦崩壊以後、文字どおり世界の一強になった。経済力も軍事力も世界最強、まさしく世界を仕切る唯一の覇権国になったのです。
ところが今や経済力が徐々に衰えてきた。だからオバマ大統領のときには「アメリカはもう世界の警察官ではない」と言い出し
トランプ大統領はもっとハッキリと「アメリカ・ファースト」と言った。この意味は〝アメリカの利益こそ最も大事〟ということです。
そして今のバイデン大統領においては、タリバンが侵入してくるのを知りながら、アフガン駐留の米軍を引き揚げてしまった。これも経済力が衰えて来たからです。
一方、中国は、今や経済成長率においてすでにアメリカを上回わり、2010年には日本を抜いて世界第2の経済大国になった。さらに2028年には、GDP(国内総生産)で米国を追い抜くことが確実と言われている。
また中国は近年、軍事力でも躍進している。
多弾頭核ミサイル「DF―41」は、一基に数個の核弾頭を搭載し、数ヶ所の米国大都市を同時に壊滅させることができるという。
さらに最近中国が開発した「極超音速兵器」は、米軍トップのミリー統合参謀本部議長をも驚愕せしめたと伝えられている。この「極超音速兵器」は、核ミサイルを地球周回の軌道に乗せ、その軌道上から攻撃目標に核弾頭を撃ち込むことができる。だから地球上のいかなる目標でも攻撃できる。そのうえ「マッハ5」以上の超高速であるから従来の防衛システムでは防げない。米軍トップが恐怖したのも当然です。
さらに中国は海軍力をも強化し、本年6月17日には3隻目の航空母艦「福建」を進水させた。その空母の排水量は実に8万トン、電磁式カタパルトを採用した新鋭艦で、相次いで多くの艦載機を発進させることができる。就役は2024年という。
もしこの新鋭空母が就役すれば、東シナ海の制海権・制空権は一挙に中国に掌握され、いよいよ台湾侵攻と日本の尖閣諸島奪取が現実となるのであります。
この中国はいまロシアと事実上の軍事同盟を結び、さらに北朝鮮をも後ろから支えている。
ロシアは核弾頭の保有数では、米国の5425発を抜く5975発で、世界第1位です。さらに4月20日には、新型の大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験にも成功している。この「サルマト」はロシア最大級の弾道ミサイルで、その威力はアメリカのテキサス州と同等の面積を瞬時に壊滅し得る。射程は1万8000キロ、従来の北極経由に加え南極経由でもアメリカを攻撃できる。実戦配備は年内といわれている。
北朝鮮も、飢餓状態の人民を顧みずに核ミサイル開発に国力を傾注し、「悪の枢軸」の一端を担っております。
先にも述べましたが、中国・ロシア・北朝鮮の三国は、仏法でいえば修羅界の国ですよ。内には人民を抑圧し、外には侵略を常としている。
いま世界はこの三国と、アメリカを中心とする自由主義諸国が対立し、抜き差しならぬ状態になっている。
その中で、中国は公然と「世界制覇」を国家目標に掲げ、その第1ステップとしての「アジア制圧」を次のごとく発表している。
「2020年代に、アジアから米国勢力を駆逐し、大中華帝国を築いてアジアに君臨する」と。
「アジアに君臨する」とは、まさしく日本を征服するということです。顕正会は20年代を「広宣流布の決戦場」と定めているが、この20年代に中国が「アジア君臨」をめざしていること、不思議ですね。
この20年代に入って、日本も世界も、濁乱のテンポがまことに速くなっている。これも諸天の働きが活発になって来たからであります。
さて、大聖人御在世には、建治から弘安年中にかけての数年間に「総罰」が現われております。この総罰について大聖人様は、弘安二年の出世本懐成就御書に次のごとく仰せ下されている。
「日本国の大疫病と、大飢渇と、どしうちと、他国より責めらるゝは総罰なり」と。
そして大聖人様は他国侵逼いよいよその色を増した弘安二年に、出世の御本懐たる「本門戒壇の大御本尊」を建立あそばし、日本国にこれを留め置き給うたのであります。
そしていま広布の前夜に、再び大疫病から始まる総罰が、現われ始めているのです。
その第一の「大疫病」は今の新型コロナです。
第二の「大飢渇」は、これから始まる食糧危機とインフレによる深刻な生活苦です。
インフレはすでにアメリカをはじめとして世界各国で起きている。その原因はコロナ対策で各国が、大規模な財政出動をして大量のおかねをバラまいたことによる。
このインフレを抑えるため、アメリカは本年3月から金利を引き上げ、さらに金融の量的引き締めも始めた。
アメリカに次いで世界各国も相次いで金利を上げるインフレ対策を取っております。
では日本はどうか――。
この国は、安倍晋三の財政規律を無視した無責任な異次元金融緩和により、国の借金は本年3月末で1241兆円。対GDP(国内総生産)の比率では260%を超えている。
国の借金の深刻度は、対GDP比で判断できるのです。
他国を見れば、アメリカの借金は対GDP比で132%、ドイツは70%、財政危機に陥っているギリシャでさえも198%、同じくイタリアでも150%です。日本の260%超がいかに異常で深刻かがわかりますね。まさにいつ財政破綻してもおかしくないのです。
しかし未だに国家破産しないのは、日銀が政府の下請けになって国債を引き受けては、お札をどんどん刷って政府に渡している。つまり政府に運転資金を渡しているからです。しかし、こんなことがいつまでも続くわけがない。
だから財務次官の矢野康治氏が昨年「このままでは国家財政は破綻する」と題する一文を文藝春秋に発表したのです。
中央銀行である日銀には「通貨の番人」、通貨の価値を守るべき使命がある。
ゆえに曽ての日銀は、暴落する可能性がある金融資産などは保有しなかった。
ところが今の日銀は安倍政権の下請けになって、上場投資信託(ETF)を通じて大量の日本株を買い、さらに国債を買いまくっている。保有する国債は本年6月22日現在で540兆円にも達している。このような中央銀行は世界で日銀以外にはないのです。
この日本に、アメリカの金利引き上げという大波が押し寄せれば、日米の金利差で円安が進む。6月21日には1ドル=136円台という24年ぶりの円安となった。
また日本の貿易収支を中心とする経常収支も、このところ連続して赤字になっている。これも円安の大きな要因であります。
円安がさらに進行すれば、エネルギー・食糧などの輸入によりインフレがますます昂進する。これを抑えるには金利を上げる以外にはないが、金利を上げれば国債が暴落して資産が劣化する。よって日銀はいま進退両難に陥っている。黒田総裁のあの暗い顔を見てごらんなさい。進むも地獄、退くも地獄という顔をしている。
そのうちに日銀は必ず「債務超過」に陥る。借金が資産を上回わってしまうのです。債務超過に陥った中央銀行が発行する通貨など、世界の市場が信認するはずがない。かくて日本はまもなく制御不能のハイパーインフレに陥るのであります。
この経済崩壊は日本だけに止どまらない、やがて世界におよぶ。それが世界恐慌です。
第一次世界恐慌は1929年のニューヨーク市場の大暴落に端を発し、それが第二次世界大戦を誘発した。
だがこれから起こる世界恐慌は、経済規模がすでに当時とはケタ違いになっているので、誘発される第三次世界大戦は、全世界・一閻浮提を巻き込む。
このとき高性能の核ミサイルは地球上を飛び交い、人類は絶滅の危機に瀕する。
この大闘諍こそ、大聖人様が撰時抄に
「前代未聞の大闘諍 一閻浮提に起こるべし」
と御予言下された、まさしく広布前夜の未曽有の大戦争であります。
大聖人様は御在世の他国侵逼について
「四方より、ことには西方より責められさせ給うべし」(下種本仏成道御書)
と仰せ下されているが、いま広布前夜の他国侵逼もまたこの仰せのままですね。
東からはロシアが北海道を狙っている。北からは北朝鮮が核ミサイルで威している。ことに西からは、最も強大かつ残忍な中国が日本を侵略せんとしている。
どうしてこうなるのか――。
弘安四年の十字御書には
「影は体より生ずるもの。法華経をかたきとする人の国は、体に影の添うがごとくわざわい来たるべし」と。
大慈大悲の御本仏日蓮大聖人に背き奉れば、磁石が鉄を吸うように、日本は必ず他国の責めを招き寄せるのです。
ゆえに御在世には大蒙古の責めがあった。
そしていま広布の前夜には、日本一同の不信謗法と、就中、断じて許されざるは正系門家の師敵対です。このゆえに他国侵逼が起こるのであります。
見てごらんなさい。
天魔その身に入る池田大作は、大聖人様の唯一の御遺命たる国立戒壇を否定したうえで、偽戒壇・正本堂を建てた。
宗門はこの池田にへつらい、御遺命破壊に全面協力した。
そして罰により学会と宗門の間に醜い仲間割れが起こるや、池田大作はあろうことか、戒壇の大御本尊をも捨て奉った。
一方、宗門の阿部日顕は対学会闘争のために、戒壇の大御本尊を怨嫉する身延派とも連携し、身延派の次期管長に就任直前の田中日淳をも招き、大石寺内の蓮葉庵において供応している。
池田大作も阿部日顕も、天魔その身に入るゆえに、すでに戒壇の大御本尊様への信を失っていたのです。
正系門家のこの大それた師敵対、どうして諸天が罰せぬわけがあろうか。ここに今、中国の侵略がまさに起こらんとしているのであります。
この侵略は諸天の責めであれば、いかなる防衛努力も虚しい。日米安全保障条約も虚しくなる。アメリカは中国との全面戦争を避けて国益を守るに違いない。
かくて日本は「自惟孤露・無復恃怙」(自ら惟るに孤露にして復恃怙無し)となる。孤立無援の国となって、中国の侵略を受けるのであります。これがどれほど悲惨なことか。
このとき日本をお救い下さるのは、諸天に申しつける絶大威徳まします日蓮大聖人ただ御一人であられる。
ゆえに
「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」
と仰せられ、さらに
「我日本の柱とならむ、我日本の眼目とならむ、我日本の大船とならむ等と誓いし願、やぶるべからず」
と仰せ下さる。「仏語は実にして虚しからず」です。大聖人様の仰せが虚しくなることは断じてない。
日蓮大聖人こそ日本の柱であられる。
この日蓮大聖人を、日本一同に深く信じ奉り、大聖人の御当体たる「本門戒壇の大御本尊」を国立戒壇に安置し奉るとき、日本は始めて金剛不壊の仏国となるのであります。
この重大なる御化導は、大聖人様の絶大威徳と大慈大悲によって為されるものであれば必ず成る。
そして今、広布の最終段階においてこの御化導をお手伝い申し上げるのは、御遺命を守護し奉った顕正会以外にはあるべくもない。
顕正会は御遺命を守り奉ったゆえに、一万二千のとき理不尽なる解散処分を受けた。だが潰れもせず、今や三百万になんなんとする仏弟子の大集団になった。
濁悪の日本国の中で、師敵対の正系門家の中で、大聖人様に一筋の忠誠を貫く三百万の仏弟子の大集団が出現するとは、なんと不思議なことか。
すべては大聖人様の御守護による。
この三百万が一結して、やがて亡国に怯えるであろう全日本人に、日蓮大聖人の大恩徳を心魂に徹するまで教えるとき、日本は必ず動く。
これこそ、大聖人御照覧の御馬前の戦いであります。
さあ、立正安国論の七月を迎え、いよいよ全組織が大歓喜の中に誓願を大きく突破し、何としても大聖人様に応え奉ろうではありませんか。
以上。(大拍手)